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アルカテル・ルーセント、予想を上回る決算およびクアルコムとの提携を発表

2013.07.31

Updated by WirelessWire News編集部 on July 31, 2013, 11:22 am JST

フランスの通信機器メーカー、アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent:以下、アルカテル)は現地時間30日、2013年第2四半期の決算を発表。同期はコスト削減策が功を奏し、アナリスト予想を上回る結果となった。またチップメーカーのクアルコム(Qualcomm)とのパートナーシップも発表したという。

同期の売上は前年同期比1.9%増の36億1000万ユーロ、営業利益は2400万ユーロ(約3200万ドル)で、いずれもアナリスト予想を上回る結果となった。アルカテルの営業損益は、前四半期が2億200万ユーロの赤字、また前年同期も8500万ドルの赤字となっていた。また純損失は前年同期の3億9600万ユーロから今期には8億8500万ユーロに拡大。ただしこのなかには資産の評価損(5億5200万ユーロ)やリストラ関連の費用(1億9400万ユーロ)などの一時損金が含まれる。

なお、Bloomberg集計のアナリスト予想は売上34億8000万ユーロ、純損失2億8000万ユーロだった。またこの決算発表を受けて、アルカテルの株価は一時14%ほど上昇したという。

クアルコム(Qualcomm)との提携については、同社がアルカテル株式の一部(5%以下)を取得するほか、両社が共同で進める小型基地局(「スモールセル」)の研究開発にクアルコムが推定約1億ユーロ程度を提供するといった内容になっているとReutersは記している。同記事によると、スモールセル(参考情報)は今後大きな成長が見込まれ、2016年の市場規模は世界で162億ドルに達するとするコンサルティング会社インフォルマ(Informa)の予想が紹介されている。なおアルカテルでは、クアルコムとの場合と同様の提携を今後3〜5社と実現させたい考えも示したという。

アルカテルは2006年の合併以来、これまでに100億ドル以上の赤字を計上してきているが、Reutersでは同社の巻き返しの可能性について、各携帯通信事業者が今後数年間にどれほど設備投資を増強するかにもかかっているとしている。同社は今年4月にCEOの交代があり、ボーダフォン(Vodafone)出身のマイケル・コンベス(Michael Combes)氏が新CEOに就任、同期にはコンベス氏が戦略の中心に据えたIP関連製品の販売が好調だったという。

【参照情報】
Alcatel-Lucent Beats Estimates as Qualcomm to Buy Stake - Bloomberg
Alcatel posts strong second-quarter, signs Qualcomm partnership - Reuters
Alcatel-Lucent's Plan Shifts Up a Gear - WSJ

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