夏休みです。
ロンドンは電車もバスもガラガラ、観光地には観光客があふれ、停電がおこり、電話が混線し、テレビは再放送だらけです。BBCはここぞとばかりに70-80年代の秘蔵ロック映像をバンバン流してくれてます。
ネットがブツブツ切れるので動画を楽しめない代わりに、ワタクシはテレビの前でお宝映像を満喫しています。
日本には夏休みが全然ないという方々がいるようです。それは、ここイギリスや大陸欧州ではあり得ないことです。ワインを飲む人々は仕事をしない、という定説もありますが、ビールを飲む人々も仕事をしないのです。
ワタクシも現地化していますから、夏はかなりやる気がありません。ゴミをゴミ箱に放り込むとか、プリングルズの蓋をあけるとか、一日に一個のことをやるのが精一杯です。
夏は働く時期ではありません。浜辺で寝転びながらKindleでゴミみたいな小説を読む時期なのです。芋洗いの様な観光地に何カ所も行ったり、お土産を買いあさるなんてことは疲れるからやらないのです。休みは休まなければなりません。
ワタクシが住んでいたイタリアの場合は全然儲かっていない肉屋やカフェさえも夏は3週間は閉店です。店を閉めて南の方に行って浜辺で寝転ぶのです。どうせ開いていてもお客なぞこないのです。そういう物なのです。
さて、夏休みがたった数日間だという方や、まったくないという日本の皆さん。なぜ夏休みを取ることができないのでしょうか?悪いのはアナタではありません。
悪いのはお客様であり、あなたの上司が無能だからです。
まずお客様が悪い理由ですが、それはお客様が休まないからです。休まない人間は悪人です。犯罪者です。よってお客様を神様だなどと思ってはいけません。休まないお客は犯罪者なのです。
あなたの上司は無能です。無能なマネージャというのは先に先に物事を考えて、計画して、資源を適切に配分することができません。つまり、あなたが夏に休んで人間として人生の意味を考え直すという貴重な時間を考慮して仕事のペースを配分したり、適切な要員計画を練ることができないという無能な人間なのです。有能な奴隷頭は家畜を死ぬまで働かせたりしないのです。
夏休みが欲しければ、休むお客になりましょう。そして家畜を死ぬまで使ってはならないということを理解しましょう。
ワタクシは休むお客になりましたので、昨夜もぶっ壊れたバスを降ろされて4キロトボトボと歩いたのです。歩いたから路肩の草花を楽しむことができました。ただし馬糞も踏んでしまいました。
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登録はこちらNTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。