アフリカ製のスマートフォンが中国製や韓国の競合となる日がやってくるかもしれません。その最初の国はナイジェリアになりそうです。
ナイジェリアのthe Phone and Allied Products Dealers Association of Nigeria (PAPDAN)はiQ とMaxTelというスマートフォンを11月かから販売することを発表しました。両デバイスには20社が共同で投資しますナイジェリアはアフリカ最大の携帯電話市場で、携帯電話浸透率は約69%です。
なお南アフリカのSeemahale TelecomsとCZ Electronicsも、南アフリカ製の携帯電話の発売を発表しています。販売される見込みの機種は5-inchのスマートフォンと10.1インチのタブレットPCでどちらもOSはAndroidです。部品の一部は輸入しますが、設計から組み立てまですべての行程を現地で実施します。
ナイジェリアのスマートフォンも南アフリカのスマートフォン、タブレットもどの程度の価格になるのかは不明ですが、ナイジェリアとその周辺国、南アフリカでは低価格帯のスマートフォンが売れていることを考えると、低価格機種になることは間違いありません。
ナイジェリアではSamsung、Nokia、BlackBerry、Tecno、LG、Huawei も人気ですが、中国のTecno以外はナイジェリアにスマートフォン製造プラントを設置する予定がありません。ナイジェリアのインフラが貧弱で、ビジネスがやりにくいと言うのが理由です。
ワタクシの知人のナイジェリア人は「『ビジネスがやりにくい』には、現地での人間関係を作る難しさ、汚職、治安なども含まれるんだよね。韓国や中国の企業は自国の経験を生かしてわりとうまくやるのだが、西欧州の会社は壊滅的。ナイジェリア人を雇わないとダメだよ。何せコネが大事だから」と述べています。
ちなみにTecnoはエチオピアにもプラントがあるため、ナイジェリアでも可能だと述べています。中国の企業はアフリカの通信ビジネスや、道路や建築などのインフラビジネスにもかなり積極的に進出していますが、そのやる気やパワーは、まるで日本の高度成長期の日本企業をみている様です。
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