このブログで何度か書いておりますが、スマフォのみならず、お高い携帯というのは、日本の外では高級品です。一応先進国のイギリスやフランス、イタリアのちょっと柄の悪い場所では、iPhoneの画面をみながら歩くのは厳禁です。後ろから殴られて強奪されたりします。
カフェでノマド(死語)も危ないです。目を離した隙にMacBookが消えています。
イギリスでは昨年80万件の携帯電話が盗まれました。ロンドンだけだと月に8万台が盗まれています。その
窃盗の8割がiPhoneだというのは興味深いですね。高級機種であるiPhoneは(ここではIPhoneは高級品です)中古市場での人気が高いわけです。日本のガラゲーを買いたいという海外の人はいませんが、iPhoneなら中国でもナイジェリアでもカザフスタンでもインドでも売れます。ガラゲーは軽トラ、iPhoneはビトンの鞄の様な物です。
盗まれた携帯電話は、ユーザーからの通報があれば通常48時間以内にイギリス国内で使用不能になるのですが、ほとんどは海外に運ばれてリサイクルされてしまうので効果がありません。
さて、あまりにも携帯を盗まれる方が多いので、イギリス政府は携帯電話会社に「どうにかしてくれ」といっております。犯罪防止大臣(そんな大臣がいるんですよこの国は。つまり犯罪が大変多いということですね)はSamsung、Google、Apple、Nokia、 BlackBerryなど主要メーカーと会合を持ちまして、「市民に携帯が盗まれない様に教育するウェブサイトを作れ」ということになりました。
対応策が「ウェブサイトを作れ」というのが何だかインパクでWeb1.0な風味ですが、何もやらないよりはマシでしょう。ピーポー君とか電波君みたいなゆるキャラで啓発活動してみたらどうでしょうかね。
ロンドン警視庁はOperation Ringtone (オペレーション着メロ)という活動にも取り組んでいます。これは、「ヤバい地域の携帯ショップを警官が集中的に訪問して盗まれた携帯やノートPCを検挙する」という活動です。訪問先が「ブリクストン」など、思いっきり指定されているのがうう、はやりなあ、という感じですが。。。(ブリクストンの犯罪発生率は高い)ロンドン警視庁はLove your Phone(あなたの携帯電話を愛しましょう!) というキャンペーンもやっておりまして、これは地元のクラブに「あなたの携帯を愛しましょう!」というポスターを貼る活動です。
ちなみに、携帯電話の窃盗で悩んでいるのはロンドンだけではありません。携帯電話の窃盗はグローバルな問題です。ニューヨーク、アムステルダム、ワシントンDC、トロントなどの他の都市でも問題になっており、各都市の警察や自治体が対応策について情報を交換しています。今年の7月にロンドンで開催されたPolicing Global Citesという世界の主要15都市の市長と警察が参加した国際会議でも、携帯電話の窃盗が議題の一つになりました。
追伸:
ところでワタクシは10年以上も電波君が気になっています。今はすっかり背脂の激しい中年ですが、当時はまだ20代で電波について熱く語っていたりしたものです。電波君は「電波は見たり、聞いたり、触れたりできないものなんだ。だけどみんな毎日、朝から夜まで、電波のお世話になっているんだよ。」と語っておられますが。触れることができる電波、世話になるどころか大迷惑な電波という物もあり、総務省の方もはやりねらーなのかどうか、例のカード流出の件で被害にあったかたなどおられるのかどうか、大変気になっております。怖くて聞けないので誰か聞いて下さい。グッズが発売されたりミクさんが歌う気配もないので寂しいと思っております。グッズが出たら輸入しますので宜しくお願いします。
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登録はこちらNTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。