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ポルトガル・テレコム、ブラジルのOiとの合併を発表 - 加入者1億人超、年間売上170億ドルに

2013.10.03

Updated by WirelessWire News編集部 on October 3, 2013, 13:07 pm JST

ポルトガル・テレコム(Portugal Telecom:以下、PT)と同社の出資先であるブラジルの通信大手オイ(Oi)が合併に合意したことが米国時間2日に明らかになった。

NYTimesによると、Oiは固定線・ブロードバンドサービスではブラジル最大手、また携帯通信サービスでは同第4位の事業者で、PTとの合併後は両社合わせて1億人超の加入者を擁し、年間売上高は170億ドルに達するという。

PTは2010年にOiの株式の22.3%を取得し、今年6月からは同社のゼイナル・バヴァ(Zeinal Bava)CEOがOiのトップを兼任。このことから両社の合併については以前から可能性がささやかれていたという。

合併後の新会社は本社をブラジルに置く予定で、PTにとっては経済後退の影響が残る本国から、今後も成長が期待できるブラジル市場へと経営の軸足を移す格好。いっぽう、ブラジルではスペインのテレフォニカ(Telefónica)がすでに取り組み強化を打ちだしていること、またメキシコのアメリカ・モビル(America Movil)も欧州での取り組みを強化していることなどから、PT-Oiでは債務の軽減や経費削減などを通じて経営体質の強化を図り、大手2社に対する競争力を高める考えだという。

PT-Oiは来年前半に見込まれる合併完了後に、新株発行を通じて最大27億ユーロの資金調達を行うほか、Oiの既存投資家の一部やブラジルの投資銀行Banco BTG Pactualから6億7000万ユーロの資金を調達する予定で、これらの資金の一部はあわせて187億ドルある両社の負債の返済に充てられるという。

WSJによると、ブラジルの携帯電話市場は加入件数2億6840万件で世界第5位。市場シェアについては1位Vivo(29%)、2位TIM(約27%)、3位Claro(25%)、4位Oi(19%)の順で、Vivoはテレフォニカの、TIMはテレコム・イタリア(Telecom Italia)の、またClaroはアメリカ・モビルのそれぞれ傘下。また先月には、テレフォニカがテレコム・イタリアの持ち株比率を46%から66%に引き上げることを発表していたことから、ブラジル市場におけるテレフォニカの影響力が高まると見られていたという。

【参照情報】
Portugal Telecom and Oi of Brazil Agree to Merge - NYTimes
Portugal Telecom and Brazil's Oi to Merge - WSJ
Oi, Portugal Telecom to Merge, Creating $17 Billion Giant - Bloomberg
Tim Undercutting Vivo to Spur Brazil's Best Telecom Gain - Bloomberg

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