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グーグルのブックスキャン、著作権侵害にはあたらず - 米裁判で判断

2013.11.15

Updated by WirelessWire News編集部 on November 15, 2013, 13:07 pm JST

グーグル(Google)と米の著作者団体オーサーズ・ギルド(Authors Guild)が8年間にわたって争ってきたGoogle Books関連の裁判で、スキャンした情報の一部をオンラインで公開することは、著作権の侵害には当たらないとする判断が、ニューヨークの米連邦巡回裁判所(US Court of Appeals for the Second Circuit)で下された。

グーグルのいわゆるブックスキャンは、同社が膨大な数の書籍をスキャンし、インターネット上で公開・検索可能にするというプロジェクト。この動きに対して、出版社や著作者からは著作権の侵害にあたるとする批判の声があがっていた。

この裁判では、関係者の間で一時和解も成立しかかっていたが、2011年3月にこの和解案が米判事によって却下され、その後出版社のグループは独自にグーグルと和解に達したいっぽうで、著作者らは裁判を継続していた。

この裁判を担当するダニー・チン(Denny Chin)判事は現地時間14日、グーグルの同プロジェクトは著作物の「フェアユース(公正な利用)」にあたるとする判決を下すとともに、その理由について、スキャンの成果が商用目的に利用されている「Googleの書籍検索サービスが、重要なリサーチ手段となっていること」に加え、この取り組みが「古い書籍を破損から救い、目の見えない人にも内容を利用可能にしていること」など、公益にかなっている点を挙げたという。

この判決に対して、オーサーズ・ギルドの幹部は「間違いなく残念な結果」であるとし、控訴していく考えを示したとNYTimesは記している。同記事には「グーグルは、世界にある著作権で保護された書籍の大半について、著者の承諾を得ずにデジタル版をつくっている」とする幹部のコメントが紹介されている。それに対し、グーグルからは「Google Booksは著作権法を遵守したもので、デジタル時代の(蔵書)カードカタログのような役目を果たしている」などとする声明が出されているという。

【参照情報】
Siding With Google, Judge Says Book Search Does Not Infringe Copyright - NYTimes
Google wins book-scanning case: judge finds "fair use," cites many benefits - GigaOM
Court Finds Google's Book Scanning Is Fair Use: Highlights From The Ruling - Search Engine Land

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