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プア充で幸せという幻想をふりまくプッシャーは林檎の夢を見るか

2013.12.30

Updated by Mayumi Tanimoto on December 30, 2013, 01:33 am JST

年末です。日本のテレビでは様々な夢物語が放送され人々を魅了するでしょう。カップ蕎麦をすすり、コンビニで買って来た中国産のお節を楽しむ人々にとって、それはドラッグです。

ここ最近の売れ筋ドラッグは貧乏でもこんなに幸せな生活が送れるというものです。

いわゆるプア充の生活はこんなに素敵、というドラッグです。

このドラッグの中には

という成分が散りばめられています。

興味深いのは、このドラッグを配布するプッシャー(売人)達というのは、会社を売り払った資産家だったり、外資系企業勤務時代にたんまりと貯めた現金を持っていて住宅ローンは一円もなかったり、配偶者や家族が働いているので金の心配がない、という金持ちばかりなことです。

プッシャー達の親はボケておらず、年末になると百貨店で注文したお節で歓待してくれるのです。彼らの家族にも友達にも、障害者も、フリーターも、非正規雇用で弁当にタンポポの花を乗せる仕事をしている人もいないのです。中卒の従兄弟も、夜逃げした近所の人も、ガンや白血病の伯母さんも、津波で家を流されて家族全員死んだハトコもいないのです。

彼らは単なるプッシャーですから、客がドラッグを静脈注射して死のうが、廃人になろうが、そんなことは関係ありません。廃人が増えれば増えるほど儲かるのです。

プッシャー達は、年末になると、やれ、私はこんな素晴らしいレストランに行った、こんな有名人と会いました、という自慢を垂れ流して、自分はいかに素晴らしいプッシャーであるか、自分の商品はいかに素晴らしい成分が散りばめられているかをシツコク誇示するのです。

鞄はTumiで、林檎マークの電脳を持ち歩き、腕は舶来品の時計がキラリと光ります。これはワタクシがかつて住んでいたニューヨークのハーレムのプッシャーが好む金歯と同じです。都心のタワーマンションに住んでいますが、ご自分が推奨する田舎に住んでいる人は一人もおりません。田舎だとネットが繋がらないし、舶来品の時計の価値がわかる人がいません。

プッシャーですから狭くて強固な人脈もあります。プッシャー仕事はその人脈から降ってきますので営業する必要などないのです。お客も湧いてくるので誠に楽な商売です。ドラッグにはたまに片栗粉を混ぜることもありますが、強固な人脈からシノギは降ってきますので、商品の品質は関係ありません。

プッシャー達が二つ目のタワーマンションを買う年末、廃人になりかけたプア充達は、オムツ代や介護費用の請求書に埋もれて、練炭を抱えながら、プッシャー達から買った書籍をたき火にくべて、糞尿を壁に塗りたくる親と餅を焼くのです。餅を喉に詰まらせていっそあの世に行ってくれないかと思いながらです。

年末にドラッグを静脈注射したり、愛国ポルノを読む代わりに、以下を読むことをお勧めします。ホラー映画をレンタルする手間も費用もかかりませんので、まさにプア充にぴったりの娯楽です。

めいろま ‏@May_Romaさんを中心として介護の実態を語る経験者達

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。