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AT&TのスティーブンソンCEO、端末割引制度の廃止を示唆

2013.12.13

Updated by WirelessWire News編集部 on December 13, 2013, 14:30 pm JST

AT&Tのランドール・スティーブンソン(Randall Stephenson)CEOは米国時間10日、ニューヨークで開催された投資家向けイベントで講演し、「市場の拡大期に加入者獲得で効果を発揮した端末割引制度は、その役割を終えつつある」と発言。さらに今後はビジネスの重点を既存顧客によるサービス利用促進に移すべきとする考えを示した。これを受けて、割引制度の終焉や新機種買い換え頻度の低下を予想する見方が各媒体から出されている。

CNETによると、スティーブンソンCEOは、新規加入者の増加が見込めた市場の拡大局面では、そのために積極的に端末の価格を割引する必要があったとした上で、スマートフォンの普及率が90%に達するのも時間の問題となった現在では、このやり方を変える必要があり、従来のように大幅な割引を続ける余力はない、などと述べたという。

米国では、たとえばiPhonesの場合、アップルの市販価格は約650ドルだが、それに対してAT&Tやベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)などの通信事業者では2年契約を条件に約200ドルで販売している。通信事業者側ではこの差額分を月々の利用料金に含めて回収するやり方を採ってきていたが、今年に入ってからはT-モバイル(T-Mobile)が通信料金と端末料金を別立てとする価格体系を打ち出すなど新たな動きも起こってきている。

AT&Tでは先週、このT-モバイルの動きに対抗する形で、購入時の契約期間を過ぎても同じ端末を使い続けるユーザーなど、割引による負担が発生しない加入者に対し、月額15ドル程度通信料を引き下げる料金プランを発表。また端末代金を20ヶ月の分割払いとし、購入時の頭金もゼロとする「Next」プログラムも発表した(T-モバイルでも期間限定ながら頭金ゼロ、24ヶ月均等払いの購入プランを提供している)。

AT&Tでは、他社に先駆けて2010年からデータ通信料の従量課金に移行しており、ユーザーのデータ通信利用量が増えば、それだけ売上増加が見込めるようになっている。また新たな周波数帯獲得とLTE網の強化を進めてきた結果、見込まれるデータトラフィックの増大を吸収できるだけの回線キャパシティも確保できているという。こうしたことから、同社としては加入者の端末買い換えが少ないほうがより好ましい状況となっているようだ。

【参照情報】
AT&T chief: We can't keep doing big subsidies on phones - CNET
AT&T CEO says smartphone subsidies must end as T-Mobile sweetens iPhone deal - Apple Insider
The End Of Subsidized Phones Could Be Near - TechCrunch
AT&T CEO thinks phone subsidies must end - GigaOM

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