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フェイスブックのザッカーバーグCEO、オバマ大統領に苦情 - NSAの情報収集問題で

2014.03.14

Updated by WirelessWire News編集部 on March 14, 2014, 13:18 pm JST

フェイスブック(Facebook)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEが米国時間13日、米国家安全保障局(NSA)による諜報(情報収集)活動に対する不満を明らかにし、またこの点をオバマ大統領に直接電話で伝えたことなどを、同サービス上の自らのページで明らかにした。

ザッカーバーグ氏はこの投稿のなかで、米国家安全保障局(NSA)による情報収集活動に言及し「米政府の振る舞いに混乱し、失望してきた」としながら、「われわれのエンジニアが必死でセキュリティを改善しているのは、ユーザーを犯罪者から守るためで、自分たちの政府からユーザーを守るためではない」と痛烈に批判。また、「米国政府はインターネットの擁護者であるべきで、脅威になるべきではない」とし、米政府の活動についてより高い透明性を持たせるよう求めた。

さらにザッカーバーグ氏は、オバマ大統領に対し直接電話をかけて自らの不満を伝えたことを打ち明け、その感触について「残念ながら、現状を本当に変えるためにはかなりの時間がかかりそうだ」とし、人々の望む安全なインターネットの実現はわれわれ自身にかかっていると話を結んでいる。

ザッカーバーグ氏は、NSAによる広範な諜報・監視活動に対して判明当初から批判的姿勢を示しており、今年2月には米政府の活動が「一線を大きく超えている」という見解も示していた。また、先ごろのThe Interceptの報道によれば、NSAが偽のフェイスブックサーバーをつかってマルウェアを拡散したり、感染したコンピューターからファイルを盗み出したとする話も伝えられており、The Vergeではこの報道も今回のザッカーバーグ氏の直接抗議の引き金になったのではないかと指摘している。

NSAの諜報活動をめぐっては、独・仏など欧州各国やブラジルなどの政府も懸念を明らかにしており、欧州では域内を結ぶ独自の通信網構築について検討するといった話がすでに出ている。またEUは以前から、ユーザーのプライバシー保護などをめぐってグーグル(Google)やフェイスブックなどの米ウェブ企業に厳しい姿勢で臨んできており、最近でもより厳しい内容を含んだプライバシー保護に関する新ルールが欧州議会で採択されていた。

【参照情報】
Mark Zuckerberg called President Obama to complain about NSA surveillance - The Verge
Facebook's Mark Zuckerberg: Washington is 'a threat' to the Internet - Washington Post
Facebook's Zuckerberg Complains to Obama Over Government Spying - NYTimes

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