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欧州議会小委員会、通信関連の新ルールを承認 - ネットワーク中立性の「抜け道」に非難の声

2014.03.19

Updated by WirelessWire News編集部 on March 19, 2014, 15:51 pm JST

欧州連合(EU)が進めている通信分野の新たなルール作りに関して、現地時間18日に欧州議会の産業委員会(Industory Committee、ITRE)で関連の改革案が承認された。だが、そのなかに「ネットワーク中立性」の規制を回避できる抜け道が存在しているとして、消費者団体などからさっそく批判の声が上がっているという。

この改正案は、欧州委員会でデジタル関連アジェンダを担当するネリー・クルース(Neelie Kroes)副委員長が先頭に立って法制化を進めてきたもので、EU域内でのローミングサービスの料金廃止や、ネットワーク中立性の維持を目的とする内容などが含まれるという。しかし、ISP業者に対して、競合他社が提供するネット関連サービスのトラフィックを妨げたり、通信速度を低下させることを禁じるを求めるこの法案のなかに、ISP業者が有料でコンテンツ配信の品質を保証することを認める項目が含まれており、その点を問題視する声も上がっているとArs Technicaは記している。

同ブログによると、オランダ選出のある代議員は「ネットワーク中立性が法的に保証されなければ、ISP業者が競合相手のトラフィックに速度制限をかけることが可能になってしまい、その結果資金力で劣る新興企業や、病院や大学といった組織が市場から追い出されてしまいかねない」などと述べたという。またISPによる「特別サービス」の定義が改められなければ、大企業が提供するサービスのトラフィックが「高速車線」を流れるいっぽうで、新興企業や非営利団体によるサービスなどのデータが「低速車線」に追いやられるような事態が生じてしまう、といった批判も一部のNGOなどから出されているという。

いっぽう、EU域内でのローミングサービスに対する課金については、2015年の12月15日を期限として全面的に撤廃するとする内容が盛り込まれ、音声通話、SMS、データ通信のいずれもこの対象に含まれているという(ただし、ユーザーによる濫用などから通信事業者を保護するための例外規定が設けられる可能性も残っている)。

なお、同法案は4月3日に欧州議会本会議で改めて投票が行なわれる見込みで、それまでに内容の一部が変更される可能性もあるという。

【参照情報】
EU net neutrality vote would let ISPs charge for Internet "fast lane" - Ars Technica
Europe's net neutrality law passes crucial committee vote with poor safeguards - GigaOM
Net neutrality: Industry MEPs want stricter rules against blocking rival services - European Parliament

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