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フランス国民のプライバシー保護問題を管轄する仏政府のCNIL(Commission Nationale de l’Informatique et des Libertés)が現地時間8日、フェイスブック(Facebook)が同サービスに登録していないネットユーザーの行動追跡を勝手に行っていることが同国の法律に違反しているとして、同社に追跡行為の停止を勧告。3か月以内に停止されなかった場合、最大15万ユーロの制裁金が課される可能性があるという。

WSJなどによると、CNILはフェイスブックが非Facebookユーザーのブラウザにもクッキー(cookie)を埋め込み、本人の同意を得ずに行動追跡を行っていることを問題視しており、こうした行為を停止するようフェイスブックに通告したほか、収集したデータを広告表示に利用していいかどうかの選択肢をユーザーに提供すべきとの考えも示したという。

また、CNILはフェイスブックに対して欧州ユーザーのデータを米国に移動することも止めるよう命じたという。

フェイスブックをはじめとする米企業には従来「Safe Harbor」と呼ばれる枠組みに基づいて、EU加盟国の国民の個人情報を米国側に移動することが認められていた。しかし昨年10月に「Safe Harbor」を無効とする判断が欧州の裁判所で下され、米・欧間で新しい枠組みづくりに関する協議が続けられていた。また今月初めには「Privacy Sheild」と呼ばれる新たな協定に米・欧の当局が合意したものの、EU加盟各国の承認はまだ得られていない。

欧州では、欧州連合(EU)当局がプライバシー関連法違反の疑いでフェイスブックに対する調査を進めているほか、オランダ、フランス、スペイン、ドイツ、ベルギーの各国でも、プライバシー規制当局による同社への調査が行われている。またベルギーでは昨年11月、同社に対して非Facebookユーザーの行動追跡を停止することを求める命令が下されたほか、ドイツでは実名以外のユーザー名でも同サービスにアカウントをつくれるようにすることが求められていたという。

【参照情報】
French data privacy regulator cracks down on Facebook - Reuters
French Regulator Alleges Facebook Violates Privacy Laws - WSJ
Facebook Told by France to Stop Collecting Non-User Data - Bloomberg

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