前回のレポートでは、インド市場におけるスマートフォン販売の増加について報告した。そのインドではスマートフォンだけでなく、タブレットの販売も増加している。
調査会社IDCインドによると、2013年にインドで出荷されたタブレットは414万台で、これは前年(2012年)の出荷台数262万台と比べると56.4%増である。またインド市場では画面サイズが5~7インチの「ファブレット(Phablet)」とよばれるタブレットの人気が高い。
▼インドにおけるタブレット出荷台数(2013年 単位・千台)
(IDC発表資料を元に筆者作成)
また、スマートフォンでもインドの地場メーカーの台頭が著しいことを伝えたが、タブレットでも同様にインドの地場メーカーからの販売台数がサムスンやAppleといったグローバルメーカーと並んで、地場メーカーのMicromaxやKarbonnがインド市場で存在感を示している。
▼インド市場でのタブレット販売メーカー別シェア(2013年)
(IDC発表資料を元に筆者作成)
IDCインドでは、インド政府がタブレットに対して品質規格「Bureau of Indian Standards (BIS) Certification」を取得することを義務付けていることから、2014年も2013年とほぼ同じくらいの規模でないかと予測している。一方で、金融機関、ヘルスケア、メディア、教育などの分野においてタブレットを用いたプレゼンや金融機関でのKYC (Know your Customer:顧客確認情報)の収集、販売情報管理などビジネスユーザーからの需要も期待できると想定している。
インドでの2013年の携帯電話出荷台数は2億5,700万台で、そのうちスマートフォンは4,400万である。それに比べるとタブレットは414万台とスマートフォンの10%程度である。
IDCによると、日本での2013年のタブレットの出荷台数は、前年比67.2%増の743万台である。個人市場向けでは低価格帯モデルに限らずハイエンド端末の出荷も増加したこと、法人市場向けでは年間を通してiOS端末の買い替え需要とWi-Fi対応の新規需要が堅調であったことが大幅な売り上げ増だった。
▼2013年のインドと日本の携帯電話、スマートフォン、タブレット出荷台数
(各種公開情報を元に筆者作成)
とはいえ、人口12億を超えるインドは巨大な潜在的な市場規模を有している。スマートフォンと比するとタブレットの市場規模はまだ小さいがこれからもインド市場での成長が期待できる。
【参考動画】
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【参照情報】
・IDCインドのリリース
・2013年第4四半期および2013年 国内タブレット端末市場規模
・2013年国内携帯電話端末出荷概況
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。