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JMOOC、MOOC講義の提供を開始

2014.04.15

Updated by Asako Itagaki on April 15, 2014, 08:57 am JST

4月14日、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)は、日本初のMOOC講義の配信を開始した。

同日から配信するのはNTTドコモ等が運営するgacco上で、東京大学本郷和人教授による「日本中世の自由と平等」、放送大学が運営するOUJMOOC上では放送大学岡部洋一学長による「コンピュータのしくみ」、同山田恒夫教授+国際交流基金による「にほんごにゅうもん(NIHONGO STARTER、英語版)」の計3講座。

「日本中世の自由と平等」は約1か月間の開講で、オンラインで動画を見て学び毎週課題を提出する通常コース(無料)と、2週めと4週めの終わりに大学に集合し、グループ学習形式での対面講義を行う反転学習コース(有料(高校生は無料))の2コースが開設される。反転学習コースには20名の高校生を含む約100名が申し込みをしている。受講にはgaccoの会員登録が必要。「にほんごにゅうもん」「コンピュータのしくみ」はFacebookを活用した教材配信と討論を行う。いずれの講義も受講完了後に一定条件を満たせば修了証を交付する。

国内の大学のMOOCへの取組みとしては、東京大学や京都大学が米国発のMOOCプラットフォームであるCourseraやedXに参加して全世界を対象とした英語講義を配信しているが、これらに現状日本のすべての大学が参加するのは厳しい状況にある。

JMOOCはこうした背景を受け、日本の高等教育環境を世界から孤立させないという観点から、日本の学習者の実態に即したサービスとしてオープンなオンライン学習環境を社会基盤として構築し、"日本人による日本とアジアのための「学びによる個人の価値を社会全体の共有価値へ拡大するMOOC」の実現" を日本全体の主要大学・企業の産学協同事業により牽引することを目的に、2013年10月に設立された。

今後、gacco上では今回開講の講義を含めて2014年度内に18講座の開講を予定。OUJMOOCも合わせてさらに開講講座を拡大していく予定としている。

【報道発表資料】
日本初・大学講義を誰でも無料で受講できる"MOOC" JMOOC 講義開講

【関連情報】
JMOOC
gacco

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。