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ケニアの着るウインカー

2014.04.15

Updated by Kenji Nobukuni on April 15, 2014, 10:00 am JST

CladLight
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ケニアのスタートアップ企業、CladLight社が開発したウェアラブル・デバイスは、欧米でブームを巻き起こしているウェアラブルに比べると大きめで、余りファッショナブルには見えないが、同国の社会問題の解決に取り組んだ製品だ。自転車やバイクの事故を減らすことを目的にしたスマート・ジャケットを作ったのだ。

ケニアではボダ・ボダ(boda boda)と呼ばれる自転車タクシーが多く、最近ではバイクも使われていて、適切な規制がないことからボダ・ボダと言えば事故の代名詞とされるほど多くの人身事故を起こしているという。バイクの数は2005年には3,759台だった250cc以下のバイクが2009年には9万台を突破しており、死亡事故も増えている。

それに心を痛めたチャールズとジョセフの兄弟はCladLight社を設立し、バイク乗りのためのスマート・ジャケットを作った。事故防止が目的だから、袖なしのジャケットで派手な色をしていて目立つようにデザインされている。電源は電池を使うタイプと、バイクから給電するタイプの2種類。

スマート・ジャケットはバイクと無線で信号を送受して、背中の上の方に仕込んだLEDを自動車のウインカーのように使い、左折、右折、制動を後続車に視覚的に知らせる機能を持っている。GPSも内蔵されていて、経路のトラッキングも可能。CladLight社は自社での製造にこだわっておらず、価格が下がることを期待して製造業者を探している。

【参照情報】
CladLight社のウェブサイト
CLADLIGHT - THE SMART MOTOR BIKE JACKET
Kenyan startup CladLight creates Smart Jacket to reduce motorbike accidents

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来