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ユニバーサルデザインのモバイル・キャリア

2014.04.03

Updated by Kenji Nobukuni on April 3, 2014, 11:00 am UTC

Jeenee Mobile
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オーストラリアのCCA(Community Connection Australia)は1987年設立で、障がいのある人々を支援してきたNPOだが、この非営利団体が2010年にスタートしたJeenee Mobileも障がいがある人々の自立を支援するモバイル通信キャリアである。

シドニーを本拠地とするJeenee Mobileはオーストラリア人口カバー率97%のOptus(3強の1社)のMVNOで、アイコンの大きな独自のAndroidスマートフォンやタブレットを通じて通信サービスを提供している。「利益より人々(People before Profits)」の精神で運営されるJeenee Mobileは、24時間、電話やSMSでの問い合わせを受け付けるヘルプセンターを持っているのだが、ここは単なるテクニカルサポート用コンタクトセンターではない。

急病や火災など緊急時の通報をサポートしてくれるほか、利用者の家族や医療関係者と代理でコンタクトしてくれるし、孤独を感じた時には話し相手になってくれる。助けが必要な時には居場所を特定してくれる。「BIG HELP」ボタンを押すだけで24時間365日アクセスでき、何回使ってもずっと無料だ。

オペレーターたちは相談してくる人々が抱えている課題やチャレンジについて事前に学んでいる。例えば、発声に問題があり、声を出すことができない人が、ECサイトもなく、電話注文しか受け付けてくれない通販事業者に商品を発注したい場合など、Jeenee Mobileのヘルプセンターは、SMSを受け付け代わりに電話をかけることにより無料で「声」を貸してくれることになる。通販の注文なら郵便やファクシミリでもできるだろうが、火災を見つけたり、川で溺れている人を見つけたりした場合などを想像すると、Jeenee Mobileデバイスの赤くて大きな「HELP」アイコンの価値がよく分かるのではないだろうか。

【参照情報】
Jeenee Mobileのウェブサイト
Mobile technology provides a voice
Jeenee grants wish of independent living to people with disability

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来