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Amazonと戦う欧州の人々

2014.04.03

Updated by Mayumi Tanimoto on April 3, 2014, 07:30 am UTC

イギリスでAmazonに対する風当たりが強くなっています。Amazonが適切な法人税を払っていないという件が昨年から話題になっておりますが、労働者の処遇に問題があるという件も批判されています。

2月には Amazon Anonymous というグループが中心となり、ロンドン市内中心部で抗議運動が実施されました。昨年12月からはChange.orgで署名運動が始まっており、4月1日現在、6万近い署名が集まっています。

イギリスの最低賃金というのは現在時給£6.31 (1072円)でありますが、一日8時間労働で一ヶ月働いた場合だいたい
月収18万円、年収にすると216万円です。

しかし物価高のロンドンではこれで人並みの生活を送るのはほぼ不可能に近いわけです。なにせお持ち帰りの麺類が一食£6(1000円)、屋台のカレーが£4.5(765円)。すき屋や吉野家なんてありません。地下鉄Zone1は1区間£2.2(374円)(ただしオイスターカードで支払った場合)。市の中心部までドアツードアで通勤一時間ぐらいの場所にあるワンルームマンション(アパート)の家賃は月£900(16万円)ぐらいです。(治安が悪い場所ならもっと安い)ロンドンで人並みの生活を送る最低時給は£8.80 (1500円) という試算がでています。

Amazon Anonymousは、Amazonは人並みの生活を送る最低時給を払っていない他に

・ 三ヶ月以内に三回以上の病欠で首
・ 一日10時間のシフト
・ 残業の強要
・ トイレ休暇のタイミングと長さの監視
・ 遅刻で勤務ポイントマイナス。マイナス3以上で首(一回の遅刻で0.5ポイント)
・ パフォーマンスを随時監視

ということをやっている、と主張しています。

日本の方がこれを見た場合「え?こんなの倉庫勤務なら普通でしょ。。。」と言われるかもしれませんが、ここはイギリス。公共交通機関は常に遅れ、残業しないのが当たり前、トイレのついでにちょっと長めのタバコ休憩は当たり前、というマターリな職場が少なくないため、これを見た人は結構驚くわけです。

ちなみにドイツでもAmazonで働く人々がストを実施したという事件がありました。ドイツではAmazonの倉庫で働く人のスターティング時給は€9.50(1358円)でありますが、これはロジスティックス業界で働く場合の賃金です。小売りの場合は時給€10〜13(1400円〜1820円)なので、若干高めなのですが、Amazonは労働者を小売り従事者として分類すべきで、もっと高い時給を払うべきだ、というのが組合側の主張です。

さて日本ではすき屋のバイト不足が話題になっておりますが、バイト不足はパッシブなストという風に言えるかもしれません。

日本で働く人々がイギリスやドイツの人々並みにストをやるようになると、そこいら中営業停止に追い込まれる店が増えそうですね。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。