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不安神経症克服アプリ

2014.04.16

Updated by Kenji Nobukuni on April 16, 2014, 10:00 am JST

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(cc) Image by Michael S

スマートフォンやタブレットの急速な普及は、さまざまなアプリケーション(直訳すれば、「応用」や「活用」)を生み出している。スマホ以前には、ある用途のために専用に作ると高額になってしまい、大量に売れないものだから──エンジニアが要求仕様を予算の範囲内で実現するから──使い勝手が悪くて、面白くも何ともないものが作られてきた。同じ分野でもスマートフォンのアプリとして開発すれば、安価で、誰でも使えて、魅力的なものとして生まれ変わることがある。

明確な理由がなくても不安になったり、理由があったとしても必要以上に不安を感じてしまったりして自分ではどうすることもできないような症状を不安神経症と呼ぶそうだ。治療法は存在するものの、患者に負担がかかる。時間もかかるし、高額だし、遠方の医療機関に出向かなければならないし、治療していると知られると要らぬ偏見を持たれる場合もあるようだ。治療法に対するニーズは高いのに、安価で適切なソリューションがない。スマートフォンやタブレットの出番である。

理論に基づいて設計されたゲーム用アプリで25分間または45分間プレイすると、不安が軽減されるというニューヨーク市立大の研究成果が発表された。新しい認知療法であるABMT(注意バイアス調整療法(attention-bias modification training))に基づくゲームで、患者は威嚇的な刺激(例えば怒った顔)を無視して、威嚇的でない刺激(例えば笑顔)に注意を向けるトレーニングを、ゲームを通じて行うそうだ。短い方の25分でも効果は現れたという。モバイルのゲームなら、いつでもどこでも行えるし、ゲームになっているということは、単なる治療のトレーニングと違って、患者も惹きつけられ、継続して行うことも容易になる。メタボリックシンドロームに続いてメンタルヘルスに注目が集まる世界各国で、今後はスマートフォンが心の安定に欠かせないツールになっていくのかもしれない。

【参照情報】
論文の梗概
Reducing Anxiety With a Smartphone App
New mobile game developed that helps reduce anxiety

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

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