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STAP細胞会見がえぐり出した日本社会の二極化

2014.04.16

Updated by Mayumi Tanimoto on April 16, 2014, 09:11 am JST

しつこいようですが、再びSTAP細胞会見ネタです。

あの会見からワタクシは様々なことを考え、驚き、愕然とし、失望しました。

愕然としたことの一つは、あの会見のリアクションがえぐり出した日本社会の二極化であります。事実を客観的に批判できる知性のある人々と、そうではない人々です。 

あの会見に関して、日本のみならず、海外にいるマトモな研究者や科学者の方、経験豊富なサイエンスライターの方は、厳しい批判を繰り返しています。科学界からの質問には答えず、証拠は出さず、謝罪ばかり繰り返しているという内容は、素人目に見てもオカシイわけですから、皆さんが厳しい批判を繰り返すのは当たり前です。しかも証拠もそろっているわけです。

ところが、その様なマトモな方々や、マトモな批判に対して、日本の少なくない人々が激しい攻撃を繰り広げております。その攻撃の内容は

批判するのは愛国ではない
発見できなかったから嫉妬で攻撃しているに違いない
小保方氏が可愛いから嫉妬してるんだろう
これは医薬界の陰謀
批判しているのは反日だからである
特許やプロトコルにはすべてを書かないのが当たり前だ
再現性はなくて当たり前だ
実験に成功した人が誰か明かさないのは当たり前だ

であります。

実名でかき込んでいる大人や学者、商業出版でモノを書いている人も含みますので唖然とします。また有識者で、海外の著名大学で高い教育を受けていたり、大学で教鞭と取る様な人が、科学論文の意味や、特許出願の意味を理解せずに発言を繰り返し、己の無知や、科学技術に対する冒涜をさらけ出しているのです。

これをみて、2005年のヒト胚性幹細胞捏造事件を思い出した方は少なくないと思うのですが、科学的な批判のできない人にはモノツクリは無理なわけで、こういう謎の攻撃を繰り返す人がやたらといるということは、モノツクリジャパンが衰退するのもいた仕方ないという気がいたします。

二極化ジャパンはモノツクリジャパンの終焉を意味するのです。 

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。