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ヤフー、イー・アクセスの子会社化を中止、「協業が望ましい」と判断

2014.05.19

Updated by Naohisa Iwamoto on May 19, 2014, 17:36 pm JST

ヤフーは2014年5月19日、3月27日に発表したヤフーによるイー・アクセス株式の取得について、これを中止すると発表した。

子会社化の発表後もヤフーとソフトバンクで協議を重ねた結果、5月19日のヤフー取締役会で株式取得を中止することを決議した。理由としてヤフーでは、「ヤフーがイー・アクセスを子会社化して自らインフラを手がけるよりも、ヤフーはサービス、イー・アクセスはインフラというそれぞれの強みを生かした協業の形で事業を進めていくことが望ましいとの結論に至」ったとしている。

イー・アクセスとウィルコムの合併は予定通り6月1日に実施し、新イー・アクセスは後日「ワイモバイル」へと名称を変更。ヤフーと共同で新ブランド「Y!mobile」によるサービスを提供する。ヤフーは、「Y!mobile」で実施する取り組みを、ワイモバイルだけでなくソフトバンクモバイルで展開することも視野に入れてソフトバンクと議論を開始するという。

サービス提供事業者が通信事業者を子会社して一体で運営するという世界でも珍しいモデルは、実現前に消えることになった。しかし、こうして何度か報道されることで、少なくとも「ワイモバイル」の知名度を会社設立前に高める効用は十分に得られたと言えそうだ。

【報道発表資料】
ヤフー株式会社によるイー・アクセス株式会社の株式取得の中止と今後の協業について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。