ソフトバンク、人間の感情を理解するロボット「Pepper」を19万8000円で2015年2月発売

2014.06.05

Updated by Naohisa Iwamoto on 6月 5, 2014, 19:35 pm JST

20140605_softbank001.jpgソフトバンクモバイルは2014年6月5日、人間の感情を認識するパーソナルロボット「Pepper」を2015年2月に発売すると発表した。Pepperは人型のロボットで、周囲の状況を判断して行動する自律型のアルゴリズムを搭載する。高機能ながら19万8000円と、手ごろな価格に抑えたところもポイントだ。

発表会に登壇したソフトバンクの孫正義社長は「今日は、もしかしたら100年後、200年後、300年後の人たちが、あの日が歴史的な日だったと記録する日かもしれない」と前振りをして、「Pepper」くんを紹介した。「ロボットに心を与えることに挑戦する日、そのことを発表したい。感情を持ったロボットの第1号がPepperくんだ」。

Pepperを開発したのは、人型ロボット工学の世界的な先駆者であるフランスのALDEBARAN Robotics(以下、アルデバラン)。同社は2005年に設立され、現在はソフトバンクの子会社。すでに5000台以上の販売実績がある人型ロボット「Nao」を提供している。

Pepperの最大の特徴は、相手となる人間の感情を認識する機能を備えること。相手の声や表情などから感情を判断し、その情報に基づいて行動する。孫社長は、「ビジョンは『愛を持ったロボット』を作ること。感情を理解し、自らの意思で動くロボット、それが目指すもの」と語った。具体的には、2つの方法で感情を認識する。1つはPepper本体が備える「感情エンジン」で、利用者の感情を認識して自律学習するもの。もう1つは、Pepperが認識した感情を「クラウドAI」に集め"集合知"として人間の感情の理解を進めるもの。これらを組み合わせて、感情の認識、学習を加速度的に進める。「これまでのコンピューターは論理的な思考などを行う人間の左脳の役目を果たしてきた。今日からコンピューターは人間の右脳の役割もするようになる」(孫社長)。

Pepperの大きさは身長が1210mmと小学生の子ども程度、重量は28kg。2足歩行ではなく、床を滑るように動くのは、「バッテリーで12時間以上連続稼働できるようにするため」(孫社長)とのこと。マイク、タッチセンサー、RGBカメラ、3Dセンサー、ジャイロセンサーなどの各種のセンサーを使って周囲の状況や人間の表情を読み取る。頭や腕、腰などは自由度の高い関節技術を使うことで、人間に近いスムーズな動きが可能だ。胸にはタブレット端末のようなタッチディスプレイがあり、コミュニケーションをサポートする。通信はWi-Fiで行う。製造はiPhoneの製造などでも知られるFOXCONN Technology Group。

動作は、動きや会話、センサーなど、Pepperの各機能を組み合わせた動作プログラムである「ロボアプリ」をダウンロードして利用する。アプリケーションの開発者に向けては、ソフトウエア開発キット(SDK)を提供する予定で、2014年9月には東京で開発者向けイベント「テックフェスティバル」の開催も計画している。

Pepperは、2014年6月6日にソフトバンク表参道とソフトバンク銀座の両店舗でソフトバンククルーとして配備され、来店者がコミュニケーションを体験できる。今後は全国のソフトバンクショップに展開し、将来的にはグローバルでの販売を目指す。

【報道発表資料】
ソフトバンクモバイルとアルデバラン、世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper」を発表

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。