ドコモ、端末にかざして回線認証できる「ポータブルSIM」を開発
2014.06.10
Updated by Naohisa Iwamoto on June 10, 2014, 18:45 pm JST
2014.06.10
Updated by Naohisa Iwamoto on June 10, 2014, 18:45 pm JST
NTTドコモは2014年6月10日、小型認証デバイス「ポータブルSIM」を開発したと発表した。SIMカードが入っていないスマートフォンやタブレットなどの端末にポータブルSIMかざすことで、回線認証が完了して通話やデータ通信が可能になる。NTTドコモは、世界で同種の機能を持つ装置の開発は、世界で初めてと言う。
▼NTTドコモが開発した「ポータブルSIM」(NTTドコモのニュースリリースより)
ポータブルSIMは、SIMカードを内蔵し、BluetoothとNFCによる近距離無線通信機能を備える装置。ポータブルSIMをスマートフォンなどの端末にかざすことで、ポータブルSIM内部のSIMカードがスマートフォンなどを介してネットワークと相互に認証を行い、ネットワーク接続が可能になる。開発したポータブルSIMは、大きさが約80×40×5.6mmのカード状で、重さは約20g。USB端子から充電して利用する。
利用シーンとしては、回線認証としての利用と、ID認証としての利用が考えられている。回線認証では、ポータブルSIMに挿したSIMカードが持つ1つの電話番号を、複数の端末で切り替えて利用することが可能になる。自宅や職場ではタブレット、移動中はスマートフォンのそれぞれにポータブルSIMをかざすことで、端末と回線契約の間の自由度を高めた利用が可能になる。もう1つのID認証では、SIMカードの安全レベルの高いセキュリティー領域を活用してID、パスワードを保存し、パソコンなどの機器にかざすことでショッピングサイトなどの認証に利用できるようになる。
現在市販されているスマートフォンやタブレットはポータブルSIMに対応していないため、今後の対応製品の開発が必要になる。またポータブルSIMも、今回の開発した機器よりも更に小型化や薄型化といった開発を進め、ウエアラブルデバイスなどへの搭載を検討する。同時にサービスの検証なども進め、商用化を目指すと言う。
【報道発表資料】
・新たな小型認証デバイスを開発
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