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[2014年第26週]KDDIが新料金発表、家族を見守る格安スマホ、フェリーでモバイル

2014.06.30

Updated by Naohisa Iwamoto on June 30, 2014, 10:00 am JST

モバイル関連の話題が豊富な1週間だった。まずはKDDIの新料金プランの発表。先行したNTTドコモ、ソフトバンクモバイルに料金体系の総論では追随しながらも、各論には工夫をこらしてauらしさを演出している。格安スマホや格安SIMの話題が毎週途切れない。この週はfreebit mobileの安心・安全サービスの提供開始やIIJグループの音声付きSIMの値下げのアナウンスがあった。航海中のフェリーでWi-Fiサービスを利用できるトライアルや、M2M機器のSIMを異なる国でも差し替えずに使えるようにする「eSIM」の提供といったニュースもあった。

KDDIは「ギフト」できる新料金プラン、進むAndroid 4.4対応

最初はKDDIの新料金プランのニュースから。KDDIは音声通話がかけ放題になる基本料金プランと、6つのデータ定額プランを組み合わせた新料金プラン「カケホとデジラ」を発表した。新料金プランは8月13日に提供を始める。すでに提供を始めているNTTドコモの「カケホーダイ&パケあえる」、7月1日に提供を開始するソフトバンクモバイルの「スマ放題」と併せて、大手3社が料金体系の舵を一斉に切ることになった。

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基本料金プランは、国内通話がかけ放題になる「電話カケ放題プラン」を提供する。4G スマートフォン向けは月額2700円、auケータイ向けは月額2200円である。ISP料金であるLTE NETが別途300円必要になる。「データ定額」プランは、月間2GBまでの「データ定額2」が月額3500円、3GBまでの「データ定額3」が4200円、5GBまでの「データ定額5」が月額5000円、8GBまでの「データ定額8」が月額6800円、10GBまでの「データ定額10」が月額8000円、13GBまでの「データ定額13」が9800円となる。ドコモやソフトバンクが家族で「シェア」するプランを提供するのに対して、KDDIは月内に使いきらなかったデータ量を不足している人に「ギフト」できる「データギフト」を導入する。ギフトは無料で、0.5GB単位で贈ることができる(関連記事:KDDI、データ通信量を家族で「ギフト」する新プラン「カケホとデジラ」を提供へ)。

キャリア関連の話題を続ける。NTTドコモとKDDIはそれぞれ、既発売の機種のAndroid 4.4へのアップデートについて発表した。ドコモは「Xperia Z SO-02E」「Xperia Z1 SO-01F」「Xperia Z1 f SO-02F」「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」「ARROWS NX F-01F」「ARROWS Tab F-02F」「Galaxy S4 SC-04E」「Galaxy Note3 SC-01F」「Galaxy J SC-02F」の9機種。KDDIは、「HTC J One HTL22」「isai LGL22」「Xperia Z1 SOL23」「Xperia Z Ultra SOL24」「GALAXY Note 3 SCL22」の5機種。いずれも順次アップデートに対応する(関連記事:ドコモとKDDI、Xperia Z1やGALAXY Note3など既存機種をAndroid 4.4へアップデート)。

アップデート関連では、ドコモルが2014年夏モデルの「Xperia Z2 SO-03F」と「AQUOS ZETA SH-04F」の2機種について、VoLTE対応に伴うソフトウエア更新を2014年6月27日に開始したとアナウンスしている。これで、VoLTEが利用できる機種は、GALAXY S5と合わせて3機種になった。(発表資料:製品アップデート情報

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格安スマホに「安心・安全」を、音声付きSIMの値下げなど動きも活発化

格安スマホ、格安SIMに関する話題が多かったのもこの週の特徴だ。現時点での利用者は少ないものの、相次ぐサービスの登場や料金、機能の見直しにより、使いやすさが一段と増す傾向にある。今後の動向に注目したい。

その中で、まず格安スマホに「サービス」を組み合わせた取り組みから紹介する。スマートフォン端末「PandA」の料金と通信料金を合計して、月額2000円から利用できる格安スマホ「freebit mobile」を提供するフリービットは、子どもやシニアの安全を守るスマートフォンサービス「PandAファミリー」を6月27日に提供開始し、報道関係者向けに説明会を開催した。freebit mobileのオプションとして無料で提供する。PandAファミリーのアプリを、保護者と非保護者のPandAスマートフォンに導入して利用する。

▼「PandAファミリー」で、親のスマホから子どものスマホの位置情報を検索しているデモ
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設定や管理は、保護者のPandAスマートフォンから遠隔で行う方式のため、子どもが勝手にロックを解除するといったことができず、安心・安全を確保しやすい。主な機能は、子どもやシニアの所在地を確認する「現在地チェック」、利用時間を限定する「利用時間帯制限」、アプリの不用意なインストールを防ぐ「Google Playの利用制限」、端末にメッセージを表示し既読がわかる「家族伝言」など。利用開始には、同社が運営する実店舗「ATELIER」での手続きが必要となる(サービスサイト:PandAファミリー)。

料金面での動きもあった。インターネットイニシアティブ(IIJ)は、いわゆる格安SIMサービスの「IIJmio 高速モバイル/Dサービス」で、090などの携帯電話番号を使って音声通話できるプランの月額料金を300円引き下げる「みおふぉん夏割!ご愛顧感謝キャンペーン」を実施する。月額料金がミニマムスタートプランの場合で、現行の1900円から1600円に引き下げられ、音声通話付きのSIMを利用しやすくなる。キャンペーンは2014年7月1日から9月30日にかけて実施し、既存のユーザー、期間中に新規加入したユーザーの双方が対象となる。キャンペーン期間終了後も、料金は据え置く予定だが、詳細は9月に発表するとのこと(報道発表資料:「IIJmio高速モバイル/Dサービス」において音声通話の月額料金を引き下げるキャンペーンを実施)。

IIJグループのハイホーも、同社が「hi-ho LTE typeD」シリーズで提供している音声通話対応SIMの月額利用料金を2014年7月1日に値下げすると発表している。音声通話の月額利用料金が従来の1000円から700円に引き下げられる。SIMの基本料金と併せて月額1633円(hi-ho LTE typeD ミニマムスタート)から利用できるようになる。これに合わせて、7月1日に提供を開始する予定の通話が可能なタブレット「Fonepad 7 LTE」とのセットも、音声通話対応SIMと端末の料金を含めて当初2年間は月額2980円(2年経過後は1633円)で利用が可能になる(報道発表資料:「hi-ho LTE typeD」シリーズ「音声通話対応SIM」
月額利用料金値下げのお知らせ
)。

また、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、格安SIMサービスの1つである「OCN モバイル ONE」の機能拡充を発表している。その1つが容量追加オプションの機能拡充で、容量追加オプションの提供を全コースに拡大したことと、追加した容量の繰り越し機能の提供。繰り越し機能では、月次コースの1GB/月コースと2GB/月コース、速度制限コースの3コースで、当月内に使い切れなかった追加容量を最大3カ月後まで繰り越せる。また、利用しているスマートフォンやタブレットからOCN モバイル ONEのデータ通信量やコース変更、容量追加の申し込みなどが可能なアプリ「OCN モバイル ONE アプリ」の提供も開始する(関連記事:NTT Com、「OCN モバイル ONE」に繰り越し可能な容量追加やターボ機能などを提供)。

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フェリーでネット接続、M2M機器を効率化する「eSIM」

きそ
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このほか、この週の主なトピックを紹介する。まず、ソフトバンクモバイルと太平洋フェリーは、航海中に衛星回線を使用して誰でも利用できる公衆無線LANサービスを2014年6月27日から試験的に開始したニュース。両社によれば、同種のトライアルは国内で初めてとのことだ。太平洋フェリーの「きそ」で実施し、トライアル期間中(終了時期未定)は無料で利用できる。1回のアクセスで15分以内の利用が、1日4回までという利用制限がある。「ソフトバンクWi-Fiスポット」の加入者だけでなく、Wi-Fi機能を持った端末があれば事前に簡単な設定を行うだけで誰でも利用できるという(報道発表資料:フェリーでのWi-Fiサービスの提供について)。

SBI AXESとソフトバンクモバイルは、韓国ロッテグループの電子マネー事業者eB Card (イービーカード)が韓国で提供する電子マネーサービス「モバイルcashbee」(キャッシュビー)に対応するサービスを始める。NFC機能を搭載したソフトバンクモバイルのスマートフォンで6月30日から利用できるようになる。Google Playからアプリをダウンロード後、「チャージ」メニューから電子マネーをクレジットカードなどからチャージすることで利用が可能になる。韓国内では2014年6月時点で、タクシーやコンビニエンスストア、ロッテグループのデパート、飲食店など約7万店舗でモバイルcashbeeが使える(報道発表資料:韓国電子マネー「モバイルcashbee」を6月30日より提供開始

M2Mビジネスのグローバルな広がりに対応。NTTドコモは、通信機能を備えた車両や建設機器などのM2M機器に組み込む「SIMカード」として、ドコモの電話番号だけでなく海外の通信事業者の電話番号も書き込める「eSIM」(Embedded Subscriber Identity Module)の提供を6月30日に開始する。今回提供を開始するeSIMは、ドコモ以外の海外の通信事業者の電話番号も書き込むことができるため、1種類のeSIMを機器に組み込むことでグローバル対応が可能になる。また利用する国が変わった際にも、SIMを交換することなく、eSIMの情報を書き換えるだけで済む(関連記事:ドコモ、M2M機器の通信機能を国内外で使えるようにする「eSIM」の提供を開始)。

「ウエアラブル元年」は本当に来るのか? MMD研究所は、ウエアラブル端末に関する調査の結果を発表した。それによると、まだウエアラブル端末の認知度は低く、「知らない」との回答が60.2%に上った。ウエアラブル端末を「利用したいと思う」回答も10.4%と、ようやく1割を超える数値。また、「知らない」と回答したユーザーも含めて、ウエアラブル端末とはどのようなものかを説明した上で利用意向を尋ねたところ、「利用したいと思う」との回答は10.4%だった。国内でのウエアラブル端末の前途は、現時点では多難な様相を呈している(関連記事:ウエアラブル端末の認知はまだまだ、6割が「知らない」--MMD研究所
)。

昨年の第26週のできごと

・イー・アクセスもLTE化を加速、スプリントがソフトバンクによる買収を承認
・継続利用者にも光明、auの下取り、ドコモのポイント優遇
・子どもの知育サービス、安全を確保する機能の進歩
・商店街Wi-Fi化、堺筋線エリア化、Xperia大画面化

[2013年第26週]EMOBILEの42Mbpsエリアが21Mbpsに、商店街などを面でWi-Fi化するサービス

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。