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グーグル、ネット接続用人口衛星の研究開発に10億ドル以上の投資を計画(WSJ報道)

2014.06.02

Updated by WirelessWire News編集部 on June 2, 2014, 18:40 pm JST

グーグルが(Google)が10億ドル以上の資金を投じて、発展途上地域向けのネット接続用となる人口衛星の開発・運用に乗り出す計画を進めようとしていると、WSJが米国時間2日に報じた。

同記事によると、この計画を主導するのは通信衛星関連ベンチャーのO3bネットワーク(O3b Networks)を創業したグレッグ・ワイラー(Greg Wyler)氏で、同氏は最近にO3bのCTOなどとともにグーグルに移籍、またスペース・システムズ/ローラル(Space Systems/Loral、本社パロアルト)からの移籍組も含めすでに10〜20人前後の開発チームが編成されているという。

このプロジェクトでは、小型の低軌道衛星をまず180機程度打ち上げ、その後さらに衛星の数を増やしていくことを想定しており、予算規模は最低で約10億ドル,場合によっては30億ドル以上に達する可能性もあるとする情報筋の話や、180機では6億ドル程度にしかならないとする専門家の話も紹介されている。

グーグルは「Project Loon」の取り組みを通じて、気球を使ったネット接続サービス提供の実験をすでに始めている。また今年4月にはソーラーエネルギーで駆動する無人機開発を進めるタイタン・エアロスペースを買収。いっぽうフェイスブックでも今年3月に「Connectivity Lab」という新たな取り組みを立ち上げ、衛星や無人機、レーザーなどを利用したインターネット接続技術の研究開発を進めていくとしていた。

O3bは2007年設立で、2010年11月にはグーグルやケーブル大手のリバティー・グローバル(Liberty Global)、HSBCなどから資金面で支援を受けていたベンチャー企業(本社英ジャージー島)。

WSJでは、イリジウム(Iridium)やテレデジック(Teledesic)など衛星通信関連の過去の失敗例に触れながら、グーグルの計画が成功するかどうかは未知数、あるいは実現したとしても200億ドル程度まで投資金額が膨らむ可能性があるなどとする専門家の見方も紹介されている。

また、近年にみられた技術の進歩に触れながら、「Project Loon」の気球はいずれ無人機に代替される可能性があり、広域を対象とするサービス提供に適した人工衛星と、サービス範囲は限られるものの高容量のサービス提供が可能な無人機とを併用する形も想定できるなどとする見方も記されている。

【参照情報】
Google Invests in Satellites to Spread Internet Access - WSJ
Google reportedly plans to spend $1B on Internet satellites - CNET
Google will reportedly spend over $1 billion to build satellites that deliver internet access - TNW

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