9leap(ナインリープ)という学生向けコンテストを今年も開催することになりました。
25歳以下の学生を対象に、ゲームプログラミングを行うコンテストです。
UEI、スマホゲーム開発コンテスト「9leap夏休みチャレンジ」を開催 http://codezine.jp/article/detail/7885
なぜゲームプログラミングのコンテストをしているのかというと、ゲーム開発を通してプログラミングの楽しさを一人でも多くの若い人に知って欲しいと考えているからです。
漠然と「プログラミングを勉強したいなあ」と思っても、実はなかなか身に付くものではありません。
よく、映画「ソーシャルネットワーク」のマーク・ザッカーバーグに憧れて、「ソーシャルネットワークサービスを作りたい」と相談してくる学生がいるのですが、ソーシャルネットワークサービスは初心者がいきなり作ろうとするにはハードルが高過ぎます。
これはWebサービス全般に言えることで、Webプログラミングをするには、PHPやPerl、Rubyなどのプログラミング言語だけでなく、HTMLやCSS、JavaScriptといった表現言語、そしてSQLという、データベース操作言語のうち、最低三種類をマスターしなければ作ることが出来ません。
それに比べると、ゲームプログラミングはたとえばJavaScriptやC#といった、どれか一つの言語を覚えてしまえば一通り作りきることが出来ます。ゲームを作れるということは、クライアントサイド(スマートフォンやPCで動作するプログラムの部分)を全て作れることと同義なので、これは大きな力になります。
また、ゲームの場合、たとえば「自機を出そう」「敵を出そう」「アイテムを出そう」「敵を増やそう」「ボスを出そう」という具合に、ゲームの文法が決まってしまっているのでごく自然に次の段階が想像しやすいのも特徴です。
このとき、「どんな敵を出そうかな?」「どんなボスを出そうかな?」という部分に創意工夫や作り手の個性が反映されます。
ソーシャルネットワークのようなWebサービスを初心者が作る場合、自分の独自性や独創性を入れるのは相当な困難を伴います。そもそも、デザインといった簡単なことさえ、プロのWebデザイナーに頼まないと凡庸なものになりがちです。また、独創的な機能を実現しようとすれば、相当な困難を伴います。
ゲームプログラミングの場合、独創的な機能だらけであってもそれほどプログラムが複雑になりません。
そしてゲーム開発そのものを目的とするならば、Unityというゲーム開発環境を学ぶのが今は最も近道です。
しかしUnityだけを使ってもプログラミングの本質的なところはわかりません。また、プロのゲーム開発者であっても、Unityをきちんと使いこなすにはやはりプログラミングの基礎体力が必要です。
そのためには、豪華な統合環境に頼らず、ブラウザだけでサクッとプログラミングを学習できるJavaScriptは現状で最も入門に適した環境と言えると思います。
ただ、人は自宅に引きこもってプログラミングをするだけではなかなか上達しません。
そこで切磋琢磨する環境としてコンテストを開催することにしたのです。それが9leapというコンテストです。
9leapの入賞者、優勝者の多くは一流企業に就職し、今も社会の一線で活躍しています。
今年の9leapはさらに若い人たちに広めよう、ということで、今月は高校生向け大会を7月28日、29日に茨城県で全国の高校生を集めた全国総合文化祭や、湘北短期大学でのワークショップの開催、そして中学校の林間学校でのenchantMOONの貸与などを予定しています。
その一方で、夏休みということもあるので、学生向けに短期決戦で勝負する9Days Challengeをこの夏、三回連続で開催します。これは、9日間で与えられたテーマに沿って作られたプログラムで競う大会です。
それぞれの小大会で優勝すると、天体望遠鏡やデジタル顕微鏡、そして3Dプリンターが賞品として貰えます。
さらに、全体を通して最も優れた作品を作った方には最新のMacBook AirとenchantMOON S-IIの限定スケルトンバージョンが進呈されます。
身の回りで自分の実力を試したい、と考えている学生さんが居たらぜひ挑戦を進めてみて下さい。
また、8月23日にプログラミング入門者向けの無料講座も行う予定です。
こちらもぜひお楽しみに。
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登録はこちら新潟県長岡市生まれ。1990年代よりプログラマーとしてゲーム業界、モバイル業界などで数社の立ち上げに関わる。現在も現役のプログラマーとして日夜AI開発に情熱を捧げている。