2014年6月12日、調査会社IDCは南アフリカにおいて、今後もタブレット端末の出荷が増加することを発表した。2018年にはタブレットの出荷台数が2014年から13.5%増の310万台と予測している。現在南アフリカで出荷されているタブレットはサムスンとAppleがほとんどである。
IDCはタブレット出荷の要因として、端末価格の低下と中間層の増加、そして教育分野でのタブレット利用の増加をあげている。現在、南アフリカだけでなく新興国や先進国などあらゆる国で、初等教育から大学まで様々な教育分野でのタブレットの利用は急増している。
一方で、デスクトップPC、ラップトップの出荷は減少が予測されている。ラップトップは2018年には150万台まで、デスクトップPCは2018年には17万台まで出荷が減少すると予測されている。この背景にはタブレットの台頭の他に、ラップトップやデスクトップPCは買い替え期間が長いため、ユーザーは一度購入すると長期間にわたって保有することも要因としてあげられる。
タブレットの出荷増は南アフリカだけでなく、他のアフリカやアジアの新興国では増加するであろう。IDCが予測する教育分野での利用に伴う普及もあるが、PCよりもコストパフォーマンスが良いので、新興国市場でのタブレット人気は高い。
PCはタブレットよりも電気消費が多い。そのため停電が多い地域では使い物にならない。また湿気が多い地域では、PCはすぐに故障してしまう。このことから、新興国ではPCよりもタブレットの方が効率的で利便性が高い。今後も新興国地域でのタブレットの普及には注目である。
▼南アフリカでのデスクトップPC、ラップトップ、タブレットの出荷シェア推移
(出典:IDC)
▼南アフリカでのデスクトップPC、ラップトップ、タブレットの出荷シェアの割合推移
(IDC発表資料を元に筆者作成)
【参照情報】
・Surging Demand for Tablets in South Africa Results in Sicknote for Traditional Notebook Vendors
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。