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IoTデバイス向けオンラインカタログHyperCat

2014.09.26

Updated by Kenji Nobukuni on September 26, 2014, 15:00 pm UTC

HyperCatのウェブサイト
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IoT(モノのインターネット)のデファクト標準を握るための争いが激化している。

今年7月にはインテル、サムスン、デルなど6社がオープン・インターコネクト・コンソーシアム(Open Interconnect Consortium)を発足させた。Linux Foundationが2007年に設立したAllSeen AllianceにはLG、Microsoft、パナソニック、Qualcomm、シャープ、ソニー、海爾など60社以上が参加している。サムスンはグーグルが買収したNest、ARM、Freescaleなどと共に7社で無線プロトコル「Thread」普及に向けたThread Groupの設立を7月に発表している。インテルはAT&T、シスコ、IBM、GEなどと今年3月設立のインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)にも参画している。

そんな中、BT(ブリティッシュテレコム)、ARM、BAE、ロールスロイスなどイギリス企業40社や教育機関などがハイパーキャット(HyperCat)という団体を結成した。同団体はイギリス政府が2004年に設立した技術戦略委員会(Technology Strategy Board)を通じて640万ポンド(約11億円)の資金提供を受け、オープンなIoTの仕様を作っている。

ハイパーキャットが目指しているのは、人ではなく機械がブラウズできるオープンなカタログだ。同じ仕様に従って同じ技術を使っていても用途と開発者が違えば実装が異なる。相互接続するためには結局、人が仕様を読んでコーディングすることになるのだが、マシンとアプリケーションの組み合わせが個別に10個あるとして、それらを相互接続しようとすると、1組につき新たに9回、合計で90回のコーディングが必要になる。組み合わせの数が今のまま際限なく増えて行けば相互運用は人の力が及ばなくなるというのがハイパーキャットの問題意識だ。

あるマシンが、新たに接続したい別のアプリケーションの情報をオープンなオンライン・カタログから獲得して、それに基づいて通信を始めれば、複数のIoT/M2Mが自律的に相互接続を行っていくことができる。実際には全く人手を介することなく勝手に機械同士が会話を始めるというところまでは行かないだろうが、こうしたスキームがあればアプリケーションの相互運用のための開発が非常に楽になる。

HyperCatは異常に興奮した猫という意味になってしまうが、おそらくハイパーメディア・カタログ(hypermedia catalog)から作った造語で、多様なIoTデバイスが参照可能なカタログのことを示していると思われる。自動車、駐車場のセンサー、照明機器などを個別にSI案件としてM2Mシステムを構築していくのはコストがかかるが、共通のオンライン・カタログを参照し合って勝手に通信してくれれば人は楽ができてコストも抑えられる。現実にはそう単純に行かないだろうが、盗難車情報や事故履歴、保険、運転免許、税金、ガソリン残量、車内外の温度、駐車場やガソリンスタンドの位置情報などなど、自動車ひとつ取ってもつながると便利な情報やセンサーは多岐に渡る。ハイパーキャットにメーカーやサービス・プロバイダーのほか、高速道路管理局(Highways Agency)、ロンドン・シティ空港、国立物理学研究所、ケンブリッジ大学など多様な企業や組織が参画しているのは、IoTのこうした可能性に注目しているからだろう。

IoT/M2Mの標準化に関しては、上述の数グループのほかにもEclipse FoundationやOMA Lightweight M2M、Weightless、さらに日本のTTC(情報通信技術委員会)を含む各国の標準化団体がやっているOneM2Mなど多くの動きがあり、実質的な業界標準の確立への道は遠そうだ。こうした中、イギリス政府はIoT分野での覇権争いに本腰を入れており、3月にはイギリスにおけるIoT分野を後押しするために4,500万ポンド(約78億円)の資金提供を約束した。ハイパーキャットにも8月下旬には160万ポンド(約2.7億円)の追加資金提供を行っている。

【参照情報】
HyperCatのウェブサイト
'Internet of things' to get £45m funding boost
UK.gov sinks another £1.6m into Internet of Stuff spec HyperCat
Hypercat Consortium adds £1.6m to its IoT funding kitty

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来