災害や紛争から逃れた避難者向けの救援物資と言えば、食糧や水、医薬品や毛布などが思い浮かぶが、イギリス空軍が8月にイラク北部の避難民に空から届けたものは、時代を反映する物資だったようだ。
C-130ハーキュリーズは、8月9日から12日にかけて、都合5,870個の再利用可能な黄色い5リットル入り浄水容器と、1,056個のソーラー・ランタン「SUNLITE」を投下した。ソーラー・ランタンは太陽光で発電し、フルチャージにするとLEDを最大11時間点灯することができ、夜間の照明器具として使用できる。併せてさまざまな機種向けの電源用のコネクターがついていて、避難民のモバイル機器に充電することができる。ソーラー・ランタンのバッテリーは5から8年の耐用年数があるそうだ。
現代の紛争や自然災害からの避難民は、スマートフォンなどの機器を持って逃げている場合が多いだろう。しかし、仮に電波が届くエリアに逃げていても、電源を確保することは非常に難しい。反対に、電源さえあれば、情報を得て、連絡を取ることができる可能性が高まる。夜間に照明機器を持っていることは心強いに違いないし、避難した地域によっては野生動物などから身を守ることにもつながるかも知れない。
【参照情報】
・イギリス政府のプレスリリース
・How technology is changing disaster relief
・Iraq crisis: What is 'life-saving aid'?
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