Bttnはフィンランド製の大きなプッシュ・ボタンで、WiFiや3Gでネットにつなぎ、家庭やオフィスで使用するための製品だ。クイズ番組で回答者が押す早押しボタンのような形をしている。Indiegogoでは1個99ドルで予約販売しており、色は赤のほか、青、緑、黄色の4タイプ。予め設定しておくと、ボタンを押すだけでテキストメッセージを送ったり、スマート家電を操作したり、タクシーを呼んだりできる。
要するに、パソコンやらスマートフォンのモニタを見て、マウスや指でメニューを選んでクリックしたりタップしたりすれば、複雑な命令(コマンド)を実行できるとしても、実際に日常的に使う機能については、いつ起動するかだけが問題ということらしい。朝、目が覚めて、コーヒーを沸かす際、会社の受付で、帰路に就く来客を送る際、子供が両親不在の自宅に学校から帰宅した際など、今、その機能を発動したい時には、細かい設定をしてコマンドを実行するのではなく、単に、今それやってという意図さえ伝えれば十分。あとは手間がかかるだけということだろう。Bttnが資金調達をしているIndiegogoでの謳い文句は、「世界でいちばんシンプルなインターネット・ユーザ・インタフェース」となっている。極端な話、犬でも使えるインタフェースとなっている。
2012年にヘルシンキのレストランで友人たちと食事していたHarri Rautio氏が、テーブルにウェイトレスを呼ぶボタンがあればいいのにと思ったというのがBttnのアイデアの素になったというから、ファミリーレストランや居酒屋チェーンでそういったボタンがありふれている日本では、この発想は湧かなかったかも知れない。
ところで、オフィス用品大手のStaples社には「イージー・ボタン(Easy Button)」という製品がある(Amazon.comで7.45ドル)。形はBttnそっくり──と言うか、BttnがEasy Buttonにそっくり──で、こちらも電池で動作する製品だが、会社に置いておいて、赤い大きなボタンをプッシュすると、「It was easy!」という声が出るだけという製品だ。
Bttnは、IFTTTやZapierなどウェブ・オートメーション・サービスに対応しているから、さまざまなカスタマイズが可能。予め用意されたメニューからいろいろな動作を設定できるが、ちょっとしたスキルがあればさらに複雑な作業をカスタマイズできるという。
【参照情報】
・BttnのIndiegogoのページ
・Staples社のEasy Button(Amazon.com)
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登録はこちらNTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来」