マレーシアでは、スマートフォンやデジカメで自撮をするための棒、通称「セルフィー(Selfie)」が大人気である。これはマレーシアだけでなく、インドネシアやタイなどの東南アジアでも学生や若者を中心に大人気であるが、マレーシアでの加熱ぶりには驚いた。若者から家族まで、多くの人が所有して、観光地だけでなく町中でも利用している。
長い棒の先にデジカメやスマートフォンを載せて、そこでタイマーセットやBluetoothで撮影をすることによって、自分と背景も写真の中に映し込むことが可能である。それらの写真はアプリで加工してから、FacebookやらTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアで公開して楽しんでいる。手でスマートフォンを持って撮影するよりも、背景もしっかり撮影できること、また観光地で誰かにお願いして写真を撮影してもらう必要もないから現地での人気は非常に高い。
「セルフィー」は1本10RM(約330円)〜30RM(990円)くらいである。Bluetooth搭載のセルフィーもある。コンパクトに畳めて、軽いので持ち運びも便利だから非常に人気がある。観光地では、多くの「セルフィー売り」のおじさんやおばさんが大量の「セルフィー」を抱えて売りにやってくる。実際に購入している若者も多い。
「セルフィー」の正式名称は「MONOPOD」。正式名称を知っているマレーシア人はほとんどいない。みんな「セルフィー」と呼んでいる。
日本ではまだ「自撮り棒(セルフィー)」を利用している人を見かけることはないが、アイドルは自身のブログなどに公開するための写真を「自撮り」したり、また若者らの間ではかつてはプリクラで撮影していたものから、スマートフォンでの「自撮り」に変わりつつある。特に「自撮り」した写真をアプリで加工できるので、プリクラで撮影する必要もなくなってきている。
今後、日本でも「セルフィー」が若者らのマストアイテムになるのだろうか?
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▼観光地に多いセルフィー売りのおじさん。値引き交渉すればRM10(約330円)以下でも購入可能。マレーシアの観光名所の多くに、このようなセルフィー売りがいて、売りに来る。実際に交渉して購入している人も多い。
▼観光地で「セルフィー」を使って友人らと写真撮影を楽しむマレーシア人。
▼露天商には、たくさんの「セルフィー」が売られている。値引き交渉すればRM10(約330円)くらいになる。
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▼新聞の風刺漫画にも「セルフィー」が登場。独立記念日だから、「セルフィー」で写真を撮るよりも、マレーシアの国旗を掲げて独立を祝おうという風刺漫画である。
▼「セルフィー」の正式名称は「MONOPOD」。正式名称を知っているマレーシア人はほとんどいない。みんな「セルフィー」と呼んでいる。
▼「セルフィー」は携帯電話、スマートフォンのアクセサリーの中でも人気ある商品。Bluetooth対応の「セルフィー」でRM19.90(約660円)
【参考動画】
・Selfie Phenomenon in Malaysia
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。