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数センチの誤差で測位できる「GNSS位置補正情報配信」、ドコモが技術検証

2019.03.28

Updated by Naohisa Iwamoto on March 28, 2019, 06:25 am JST

IoTでは、自動運転に代表されるようなソリューションで、高い精度の位置情報の必要性が高まる。NTTドコモは、数センチメートルの高い精度で位置を測れる「GNSS位置補正情報配信基盤」の構築に向けた技術検証を開始し、高精度の測位のニーズへの対応を進める。

建設機器、農業機器、ドローン、自動車など、その位置情報を活用したソリューションやサービスの提供が期待される分野は多い。そうした中で、数センチメートルといった高い精度で測位できる需要が高まっている。ドコモは、GNSS位置補正情報配信基盤を構築し、位置補正情報を配信することで高い精度の測位を可能にする。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略で、米国のGPSに加えて、ロシアのGLONASS、ヨーロッパのGalileo、日本の準天頂衛星(QZSS)などの衛星測位システムを総称したもの。

GNSS位置補正情報配信基盤の技術検証では、国土地理院が全国に設置した1300点の電子基準点に加えて、ドコモ独自の固定局を設置。これらから得られた位置補正情報を、携帯電話ネットワークを通じて位置補正情報配信サーバーに集約し、位置情報を必要とする建設機器や自動車などの移動局に対して配信する。この情報を基に、GNSSから得た位置情報を補正して誤差数センチメートルの高精度測位を実現する。

今回の技術検証では、移動局の近くにドコモ独自固定局を設定し、同時に技術検証用の位置補正情報配信サーバーを構築する。実際に移動局で得られる測位データを検証して、位置精度の品質からアンテナの電波干渉、位置補正情報配信サーバーの品質・運用性などを多角的に検証する。

【報道発表資料】
誤差数センチメートルの高精度測位を実現する「GNSS位置補正情報配信」の技術検証を開始

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。