コネクテッド・ファーマー・アライアンス(CFA)は官民のパートナーシップ──日本で言ういわゆる第三セクター──で、ケニア、タンザニア、モザンビークの50万の小規模農家に対し、モバイル技術を使って生産性と収益を向上させようという取り組みを行っている。ボーダフォン、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)、非営利のTechnoServeが構成メンバーになっている。
50万人の小規模農場主(うち女性は15万人)に持続可能な事業展開を情報、技術的な知識、資金などの面で支援することは、第一次産業の基盤を強固にすると同時に、いわゆる食の安全の確保にもつながるという考えだ。2012年6月にスタートし、3か年計画で3つのプロジェクトが並行して走っている。
まず既存の農業ビジネスの流通や購買、信用供与などにモバイル技術で小規模農家を組み入れることで、全体の取引コストを削減し、農産物業界の効率化を進めるプロジェクト。農学や市場の情報を、モバイル技術を駆使して小規模農家に伝え、スキル向上による作物の育て方の改善から、出荷時期の調整まで行うB2Bサービスを構築する。
二番目はTechnoServeが中心になって小規模農家向けのモバイル・マネー・サービスを開発するプロジェクト。2014年末までにM-Pesaが組み込まれる予定。三番目がこれら2つを組み合わせて小規模農家を活性化し、持続性のある事業に転換するプロジェクト。
今のところ6,300人の小規模農場主が利用しているに過ぎないが、CFAが国際的な飲料メーカーとケニヤのマンゴー農家、パッションフルーツ農家を結びつけたり、タンザニアの小規模農家と種子輸出業者や米加工業者を結びつけたりと、着実に成果を上げている。
【参照情報】
・Connected Farmer Allianceのウェブページ
・TechnoServeのウェブサイト
・Vodafone Partnership Enables 30,000 Tanzanian Farmers with Mobile Services
・ボーダフォンのニュースリリース
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