有料WiFiを使わせるためのジャミング装置にFCCが罰金
2014.11.19
Updated by Kenji Nobukuni on November 19, 2014, 11:00 am JST
2014.11.19
Updated by Kenji Nobukuni on November 19, 2014, 11:00 am JST
テネシー州ナッシュビルにあるマリオット系の四つ星ホテルのゲイロード・オプリーランド・リゾート&コンベンション・センターでは、カンファレンス会場のWiFiにアクセスするには高額の料金──デバイス1台につき250から1,000ドル──を支払う必要があった。
高級ホテルにコンベンション・センター付属となれば各種学会や国際会議、見本市が開催され、各地からラップトップやタブレット、スマートフォンを携えたビジネスマンや研究者が宿泊しに訪れる。社用族であってもWiFiに何百ドルも経費で払いたくないから、自分のスマートフォンのテザリングや3Gルータを使って、セルラー・ネットワーク経由でネット接続しようとするのが当たり前だ。
そこでオプリーランド・ホテルは、宿泊客に自分のWiFiを使わせないために、妨害(ジャミング)電波を出す装置を設置していた。個人の所有する機器を使えなくして、高額なサービスを使わせるのは容認できないとして、電気通信の規制当局であるFCC(連邦通信委員会)は10月、マリオット・インターナショナルに60万ドル(約6,900万円)の罰金の支払いを命じた。
マリオット側は抗弁したようだが結局は支払いに応じ、ジャミング装置の使用を止めた。FCCは罰金のほかに同ホテルにおけるWiFiの状態の監視方法を含めた改善計画を提出するととともに、向こう3年間、3ヵ月ごとに経過報告を提出することを求めている。
インターコンチネンタルではロイヤルティ・プログラムのメンバーに2013年から無料WiFiを提供しているし、低価格帯のバジェット・イン、トラベロッジ、スーパー8などでは普通に無料で提供されている。しかし、高級ホテル・チェーンでは、WiFi利用には追加チャージ必要なのがまだ一般的のようだ。
10月末になってマリオットは世界のゲイロード、オートグラフ、ルネッサンスなど同社チェーン3,800施設でマリオット・リワード・プログラムのメンバーに対して、2015年1月15日からWiFiを無料で提供すると発表した。とはいえ、プログラム会員でないと1日あたり13ドルから15ドルを支払わなければならないし、会員であっても、ホテルのウェブサイト(MARRIOT.com)やスマホ用アプリ、または電話で直接(1-800-Marriott)予約しなければ、無料WiFiのサービスを受けることはできないそうだ。
【参照情報】
・How Marriott Bumrushed Opryland Guests To Pay For Wi-Fi
・Free Wi-Fi at luxury Marriott hotels--for some
・Now We're Talking: Marriott to Give Free WiFi to All Marriott Rewards Members Next Year
・Marriottモバイル・アプリ
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