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中東アフリカ地域:2014年Q2の携帯電話販売は6,400万台

2014.11.07

Updated by Hitoshi Sato on November 7, 2014, 13:12 pm JST

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Image by Erik (HASH) HersmanCC-BY

2014年10月、調査会社IDCが2014年第2四半期(4月~6月)における中東アフリカ地域での携帯電話販売台数を発表した。それによると、中東アフリカ地域での同時期の携帯電話販売台数は前年同期比27%増の6,400万台だった。そのうちスマートフォンの販売シェアは約2,560万台で携帯電話販売総数の約40%を占めた。

アフリカではエジプトで37%、南アフリカで32%出荷台数が増加した。中東地域ではUAEで27%、カタールで32%増加した。またUAE、サウジアラビア、トルコ、クウェートではフィーチャーフォンからスマートフォンへのマイグレーションが進んでおり、これらの国々では市場の携帯電話のうち75%以上がスマートフォンである。

中東アフリカ地域でのメーカー別の動向をみると、スマートフォン市場では1位はサムスンで45%のシェアを占めるものの、昨年同期に比べると8%減少している。2位はHuaweiで、シェアは2%から10%に増加している。次いでアップル8%、Nokia6%となっている。BlachBerryは昨年まで13%のシェアがあったが、2%まで落ち込んだ。
フィーチャーフォンでは、Nokiaが35%でまだ中東アフリカ市場での圧倒的存在感を示している。それでも昨年47%から大きく減少した。次いでTechno(香港)11.5%、サムスン10.7%、Qモバイル(パキスタン)7.3%と続いたが、各社ともにフィーチャーフォンでのシェアは減少している。

中東アフリカ地域でもついにスマートフォンが拡大しつつある。現在中東地域ではシリアやイラク、アフガニスタンなどを除いてはほとんどがスマートフォンである。中東地域でスマートフォンを利用していないのは、アジアやアフリカ諸国からの出稼ぎ労働者である。アフリカでもスマートフォンは普及してきている。さらにアフリカにはナイジェリアのような巨大市場が残っていることから、これからも成長が期待される。

ローエンド端末を得意とする中国やインドのメーカーがこれからも中東アフリカ地域に多く進出していくだろう。またパキスタンには地場メーカー「Qモバイル」もあり、実際に同社はフィーチャーフォンで4位に入っている。アフリカにも「Mi-Fone」、「Evertek」などの地場メーカーが台頭しつつある。

▼中東アフリカ地域でのスマートフォンメーカー別シェア
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(IDC発表資料を元に作成)

中東アフリカ地域でのフィーチャーフォンメーカー別シェア
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(IDC発表資料を元に作成)

▼中東アフリカ地域でのスマートフォンメーカー別シェア(2013年同期との比較)
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(出典:IDC)

【参照情報】
Smartphones Set the Pace as MEA Handset Sales Top 64 Million Units in Q2 2014

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。