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[2015年第1週]SIMロック解除義務化へ、Firefox OSスマホ発進、2014年にハマったスマホゲームは?

2015.01.05

Updated by Naohisa Iwamoto on January 5, 2015, 11:30 am JST

2015年、明けましておめでとうございます。2014年の最終週から年明けにかけても、モバイル関連のニュースは次々と飛び込んできた。総務省はSIMロック解除に関するガイドラインを改正し、すべての端末についてSIMロック解除が義務付けられることになった。KDDIはFirefox OSを搭載したスマートフォンを国内で発売し、新しいプラットフォームの広がりに期待を寄せる。2014年のスマートフォンゲームに関する調査では、「パズル&ドラゴンズ」の強さが示された。

増加する格安SIM、SIMロック解除も始動へ

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Image by Simon Yeo (CC-BY)

総務省は、2014年12月22日に「SIMロック解除に関するガイドライン」を改正した。同年11月1日に公開された改正案に対する意見募集の結果を踏まえたもの。事業者に対し、原則として自らが販売したすべての端末について顧客の要望に応じてSIMロックの解除に応じることが適当であることを明記した。改正後のガイドラインは2015年5月以降に発売される端末に対して適用される。ただし、割賦代金の不払い、端末入手のみを目的とした契約など不適切な行為を防止するために最低限の期間SIMロック解除に応じない期間を設けることは妨げないとした(関連記事:SIMロック解除義務化へ 総務省がガイドライン改正を発表)。

SIMロック解除の義務化が追い風になるMVNOについての調査結果も発表された。MM総研が公表した国内のMVNO市場についての調査結果がそれだ。MVNO全体の回線契約数は1928万回線で、2014年3月末比で約3割の増加。「格安SIM」と呼ばれる独自サービス型SIMの回線契約数は230万5000回線で、3月末比で約33%の増加だった。独自サービス型SIMの事業者別回線数を見ると、「OCN モバイル ONE」を提供するNTTコミュニケーションズが54万回線(シェア23.4%)で首位。「IIJmio」「BIC SIM」などを提供するインターネットイニシアティブ(IIJ)が34万回線(同14.8%)で2位につける。「b-mobile」ブランドでサービスを提供する日本通信が16万回線(同6.9%)、「BIGLOBE LTE/3G」などを提供するビッグローブが15万5000回線(同6.7%)と続く(関連記事:格安SIMの契約数は230万、シェアはNTT Comが首位、IIJ、日本通信と続く--MM総研)。

絶対数はまだ少ないものの伸び続ける「格安SIM」「格安スマホ」に、パソコンでネームバリューのある「VAIO」ブランドが登場する見通しだ。日本通信とVAIOが、MSP(Mobile Solution Platform)事業で協業することを発表し、その1つの姿としてVAIOブランドのスマートフォンを2015年1月にも日本市場に投入する。VAIOブランドのスマートフォンの製品概要については、改めて新製品発表を行うとしている(関連記事:VAIOと日本通信が協業、「VAIO」ブランドのスマホを2015年1月にも提供へ)。

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Firefox OSスマホ、航空機向けサービスなどKDDIが提供

KDDIが年末にいくつかの取り組みを発表している。1つは国内向け初となるFirefox OSスマートフォン「Fx0」の発売。クリスマスの12月25日からauオンラインショップおよびKDDI直営店4店舗で販売を始めた。

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OSは製品版としては最新のFirefox OS 2.0を搭載。クアッドコアCPUやHDディスプレイは商用Firefox OS端末の中では初。LG製でディスプレイサイズは4.7インチ、メインカメラは800万画素。日本語入力はフリックやトグルにも対応している(関連記事:国内向け初のFirefox OSスマートフォン「Fx0」 リリース)。

またKDDIは、航空機向けインマルサット衛星通信サービス「インマルサットSB (スウィフトブロードバンド)」の提供開始もアナウンスしている。法人向けのサービスで、インマルサット第4世代衛星を利用して従来の約7倍となる最大432kbpsのデータ通信が可能になるもの。音声通話とデータ通信を同時に利用することもできる。契約した顧客は飛行中の機内からの通話やデータの送受信をこれまでより快適に利用できる。また、航空機にインマルサットSBとWi-Fiの環境を構築すれば、当乗客向けのインターネットサービスが提供できる(報道発表資料:航空機向け衛星通信サービス「インマルサットSB (スウィフトブロードバンド)」提供開始)。

ネットワーク拡充のアナウンスもあった。auの「4G LTE」の通信ネットワークで、下り(受信時)最大150Mbpsの高速データ通信に対応した無線基地局の稼働数が、2014年12月25日に2万を突破したというもの。下り最大150Mbpsに対応した基地局は、2013年10月から一部のエリアで導入を開始したもの。2014年5月には、LTEの次世代高速通信規格LTE-Advancedの技術である「キャリアアグリゲーション」を導入したことで、基地局数の拡大を加速している(報道発表資料:「4G LTE」受信最大150Mbps対応の基地局が2万を突破)。

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「HomeKit」対応BLE対応モジュール、ソフトバンクが米国でLTEローミング

そのほかの主なニュースを紹介する。アプリックスIPホールディングス(アプリックス)は、米アップルがiOS 8に搭載したスマートホーム規格「HomeKit」に対応したBLE(Bluetooth Low Energy)モジュールを開発した。2015年に全世界の家電メーカーに向けて提供を開始する。アプリックスが開発したBLEモジュールは、モジュール単体での機器セットアップ、ユーザー管理、複数機器の一括操作、時間指定操作予約、Siriを使った家電操作、電子錠といったHomeKitの機能を利用できる。アプリケーションは、アップルが提供する開発環境で開発が可能だ(関連記事:アプリックス、iOS 8のスマートホーム規格「HomeKit」対応のBLEモジュールを提供)。

ソフトバンクモバイルは、米スプリント・コーポレーション(以下、スプリント)のネットワークでLTE国際ローミングの提供を開始した。これにより、アメリカ本土やハワイなどに滞在中にスプリントのネットワークを使った通話やSMS、データ通信が日本国内と同じ料金になる「アメリカ放題」で、LTEによる高速データ通信を使えるようになる。また、2014年12月26日にLTE国際ローミングの対象エリアとして、中国、イスラエルを追加、28の国・地域でLTEが利用できるようになった(報道発表資料:「アメリカ放題」でLTEデータ通信が利用可能に)。

同じくソフトバンクモバイルは、大規模災害発生時の早期通信復旧を目的に、海上保安庁と「災害時における通信の確保のための相互協力に関する協定」を締結した。海上保安庁との協定締結は通信事業者として初めて。ソフトバンクモバイルが海上保安庁の人命救助活動などに必要な通信機器を提供する一方、海上保安庁はソフトバンクモバイルが被災地で通信の復旧作業を行う際に物資を緊急搬送するなどの協力を行う(報道発表資料:通信事業者として初、海上保安庁と「災害協定」を締結)。

最後にスマホゲームの話題。MMD研究所は、「2014年スマートフォンゲームの利用実態調査」の結果を公表した。

テレビCMで見たことがあるゲームアプリ
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それによると、「2014年にハマったゲームアプリ」は「パズル&ドラゴンズ」(25.4%)、ディズニー ツムツム」(12.5%)、「ぷよぷよリクエスト」(11.5%)が上位3位だった。ゲームアプリの接触の仕方としては、テレビCMで見たことがあるゲームアプリの上位3種類は、「パズル&ドラゴンズ」「モンスターストライク」「白猫プロジェクト」。一方、スマートフォンゲームをダウンロードしたきっかけは「スマートフォン広告」が35.9%で、「テレビCM」の22.4%を引き離した(報道発表資料:レビCMでみたことがあるスマートフォンゲームアプリTOP3は「パズル&ドラゴンズ、モンスターストライク、白猫プロジェクト」)。

昨年の第1週のできごと

・2013年は「無料通話/チャット」が人気、今春も学割開始
・鉄道の地下区間、関西や首都圏でサービスエリア拡充

[2014年第1週]年末年始に通信トラブルなし、鉄道のトンネル内のエリア化が一層拡充

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。