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台湾Acer、トリプルSIM対応スマートフォン「Liquid E700」をカリブ地域で販売

2015.01.06

Updated by Hitoshi Sato on January 6, 2015, 07:10 am JST

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Image by kansasphoto (CC-BY)

2014年12月2日、台湾のAcer が Android スマートフォン「Liquid E700」をカリブ地域で販売開始することを発表した。「Liquid E700」 は2014年 5 月に発表されたスマートフォンで、3 枚の SIM カードを挿入できる「トリプル SIM スマートフォン」である。現地の通信事業者Digicel のショップで購入できる。まずはバミューダ諸島、ジャマイカ、タークス・カイコス諸島から販売を開始する。

MediaTek の 1.3GHz クアッドコアプロセッサ、1G RAM、4GB ROMを搭載しており、5 インチ HD の IPS 液晶ディスプレイ、800 万画素カメラ(背面)、200 万画素カメラ(前面)、3,500mAh の大容量バッテリーなどを搭載された、いわゆる普通のミドルクラスのスマートフォンである。

一番の特徴は、1台のスマートフォンに3 枚もの SIM カードを挿入できることだ。プリペイドが主流で、1人が複数枚のSIMカードを所有することが多い新興国では、SIMカードを2枚挿入できる端末、いわゆる「デュアルSIMスマートフォン」はたくさんある。しかし3 枚もの SIM カードを挿入できる「トリプル SIM スマートフォン」は世界的にも珍しい。

バミューダ諸島の携帯電話普及率は137%、ジャマイカは116%である。携帯電話の加入者数はSIMカードの販売枚数である。つまりバミューダでもジャマイカでも1人が複数枚以上所有していることになる。しかしそれぞれの地域とも通信事業者は2社しかない(バミューダではCelloneとDigicel、ジャマイカではLIMEとDigicel)。
「Liquid E700」 は3枚のSIMカードが挿入できるが、そのうち2枚は同じ会社のSIMカードになることもある。人によっては3枚とも同じ会社のSIMカードということにもなることもある。

カリブ地域でもスマートフォンの普及は著しい。カリブ海や中央アメリカを中心に世界33地域で事業展開をしている通信事業者Digicelでは自社のスマートフォンDLシリーズも出している。

プリペイドが主流の新興国では、1人で複数枚のSIMを所有することは日常的なことである。そのため「デュアルSIM」対応のスマートフォンは人気がある。しかし、そのような新興国ではこれからはもう「デュアルSIM」でなく、3枚までSIMが挿入できる「トリプリSIM」対応のスマートフォンが主流になってくるのかもしれない。

▼Digicelジャマイカでは1台約2万円~3万円。決して安くはない。
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【参考動画】 Acer Liquid E700 Smartphone
「トリプルSIM」対応ながら、12時間の動画再生、100時間の音楽再生、24時間の連続通話時間などパフォーマンスは良いと言えるだろう。

【参照情報】
Acer Expands Its Liquid Smartphone Sales to the Caribbean

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。