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[2015年第7週]訪日外国人へ通信でおもてなし、WiMAX 2+が220Mbpsに、KDDIが光コラボ対抗策

2015.02.16

Updated by Naohisa Iwamoto on February 16, 2015, 12:00 pm JST

週の真ん中に祝日が入ったこともあってか、第7週はニュースが少し落ち着いた一週間だった。そうした中で注目したいのが、訪日外国人向けのサービスの話題。電話通訳付きのプリペイドSIMカードの提供開始や、美術館などで位置情報と関連した案内などのサービスを構築するインフラの提供が始まった。訪日外国人2000万人時代に向けて、通信サービスによる「おもてなし」のアイデアが問われるようになる。

電話通訳付きSIM、美術館の案内など訪日外国人向けサービス

訪日外国人向けのサービスの1つが、テレコムスクエアが提供を開始する電話通訳サービス付きプリペイドSIMカード「Wi-Ho! Prepaid SIM」である。

Wi-Ho! Prepaid SIM
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訪日外国人が自国で利用している端末にSIMカードを挿入するだけで、日本国内でNTTドコモの回線を使ったモバイルデータ通信が利用できる。30日間有効な1GBのサービスが参考価格4167円、3GBのサービスが同6019円。成田、羽田空港内にあるテレコムスクエアの店舗で販売するとともに、設定サポート、空港から目的地への移動に必要な情報も提供する。また、3者間通話による電話通訳サービスも無料で提供する。テレコムスクエアのMVNO事業への参入は、ビッグローブがMVNE事業者としてサービス基盤を提供した(報道発表資料:テレコムスクエアが訪日外国人向けに電話通訳サービス付きプリペイドSIMの販売を開始)。

もう1つが、三井情報(MKI)の話題。同社は、博物館や美術館などで訪日観光客に位置情報を活用したサービスを提供するインフラとして、「Wi-Fiロケーションサービス」の提供を開始する。

WiFiロケーションサービス
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Wi-Fiで取得した位置情報を基に、位置に連動するコンテンツを提供できるようにする。新サービスの提供により、訪日観光客が訪れることが多い美術館や博物館といった観光名所で、Wi-Fiスポットの提供と同時に位置情報を活用した「おもてなしサービス」を提供しやすくする(関連記事:美術館などで訪日観光客をおもてなし、Wi-Fi位置情報サービスを三井情報が提供)。

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WiMAX 2+の周波数拡張がスタート、広がる地下鉄のエリア化

UQコミュニケーションズは2015年2月12日、同社が提供するWiMAX 2+サービスの周波数帯域拡張を栃木県真岡市で開始した。これにより、対応機種を使うことでキャリアアグリゲーション(CA)による下り最大220Mbpsのサービスを利用できる準備が整う。2月12日にWiMAX 2+の周波数帯域拡張が実施されたのは栃木県真岡市周辺のエリアで、今後、全国に順次展開していく。CAで下り最大220Mbpsの通信が可能な端末は、モバイルルーターの「Speed Wi-Fi NEXT W01」。3月末に実施する予定のファームウエアのアップデートで、CAに対応する計画だ(関連記事:UQコミュニケーションズ、WiMAX 2+の周波数帯拡張を開始、CAで220Mbpsが利用可能に)。

WiMAX 2+の話題をもう1つ。UQコミュニケーションズは、仙台市地下鉄「南北線」でWiMAX 2+サービスのエリア整備を完了し、サービスの提供を始めた。既存のWiMAXサービスに加えて、高速なWiMAX 2+を地下鉄各駅および駅間の列車内で利用できるようになった
(報道発表資料:仙台市地下鉄におけるWiMAX 2+サービスの提供開始について)。

地下鉄のサービスエリア化は、首都圏でも続いている。埼玉高速鉄道、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、埼玉高速鉄道線「赤羽岩淵駅〜浦和美園駅」区間のトンネル内で、携帯電話サービスの提供を開始した。

イメージ写真
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埼玉高速鉄道は赤羽岩淵で東京メトロ南北線と相互直通運転をしている路線で、今回のエリア化により南北線から引き続きトンネル内で携帯電話サービスを利用できるようになった(報道発表資料:埼玉高速鉄道線「赤羽岩淵駅〜浦和美園駅」区間のトンネル内で新たに携帯電話サービスを提供開始)。

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auひかりを長期割引、小型軽量のワイヤレスSDカードリーダー

このほかのトピックを紹介する。KDDIは、最大1Gbpsの高速光インターネットサービス「auひかり ホーム」に、長期利用者を優遇する新プラン「ずっとギガ得プラン」を加え、3月1日に提供を始める。3年間の継続利用を条件に、月額利用料が1年目は5100円、2年目は5000円、3年目以降は4900円と割り引かれる。「ずっとギガ得プラン」はKDDIのauスマートフォンやau携帯電話とセットで月額料金が割り引かれる「auスマートバリュー」の対象にもなり、NTT東日本・NTT西日本の光コラボレーションモデルを利用した各社のセット割引に対抗する(報道発表資料:auひかりホーム「ずっとギガ得プラン」の提供開始について)。

あると便利なスマートフォン周辺機器。ソフトバンク コマース&サービスは、「SoftBank SELECTION」ブランドで、小型のSDカードリーダー「ワイヤレスSDカードリーダー&ライター」を発売した。

ワイヤレスSDカードリーダー&ライター
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スマートフォンやタブレットに保存した写真や動画、連絡先情報などをWi-Fi経由でSDカードに保存できる。最大5台まで同時に接続でき、データ共有にも活用できるほか、NFC対応端末ならばタッチするだけで接続が可能。名刺サイズで約47gのボディーは、同社によれば業界最小・最軽量とのことだ。SoftBank SELECTION オンラインショップでの販売価格は税込み9840円(報道発表資料:SoftBank SELECTION、業界最小・最軽量のワイヤレスSDカードリーダー&ライターを発売)。

法人向けのMVNOを東芝情報機器が提供開始した。同社はNTTドコモの回線を利用した企業向けMVNOサービスとして「TIEモバイル」を開始、下り最大150Mbps、上り最大50MbpsのLTEサービスを提供する。東芝情報機器はNTTコミュニケーションズと協業することで、MVNOサービスに本格参入することになった。データ通信料金は1GB/月で950円から。同社が提供するクラウドサービスやキッティングサービスと組み合わせて、ワンストップで提供できる点を強みとする(関連記事:東芝情報機器、企業向けMVNOに参入、クラウドやキッティングサービスと一括提供)。

最後に日本の家電市場の統計の話題を紹介する。ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK ジャパン)は、家電製品の小売り販売状況を調査した「2014年 家電・IT市場動向」を公表した。モバイルに関連する調査結果を見ると、携帯電話の販売台数は、3314万台で前年比4%の減少となり、2年連続でマイナス成長となった。スマートフォンが2579万台と前年並みにとどまったことから、市場規模が縮小した。一方、タブレット端末は635万台で、前年比17%の増加だった(関連記事:2014年のスマホ販売は前年並み、タブレット端末は17%増-GfK ジャパン)。

昨年の第7週のできごと

・ペット管理、カメラの業務利用、LTE-Advanced対応など広がる技術
・auIDはリアル決済に、ネットマイルはドコモ口座に
・子どものリテラシー検定、クワッドバンドのUSBデータカード

[2014年第7週]楽天がViberを買収、ウエアラブルはペットまで拡大、auIDでリアルの決済

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。