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Ubuntu初のスマートフォン:スペインbqから登場

2015.02.12

Updated by Hitoshi Sato on February 12, 2015, 18:13 pm JST

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イギリスのCanonicalは2015年2月6日、スペインbqから初の「Ubuntu」を搭載したスマートフォン「Aquaris E4.5 Ubuntu Edition」を発売することを発表した。提供地域は欧州で、価格は169.99ユーロ(約2万3000円)。Canonicalは2013年からスマートフォン分野の進出を明らかにしていた。またクラウドファンディングで資金集めをしていたこともある。

価格は169.90ユーロ(約23,000円)で、近日中に欧州でフラッシュセール(期間限定のオンライン販売)を通じて提供する(※編集部注:本稿公開時点(2/12 18:00)でbqの販売サイトを確認したところ、初回販売は終了し、次回販売期間は未定となっている模様)。購入しやすいミドルエンド価格帯の端末である。

他にもスペイン(amena.com)、スウェーデン(3 Sweden)、ポルトガル(Portugal Telecom)、イギリス(giffgaff)の4ヵ国で通信事業者がSIMバンドル端末として販売する予定。

「Aquaris E4.5」はAndroid搭載モデルが既に10ドル安い159.90ユーロで販売されている。UbuntuモデルのハードウェアスペックはAndroidモデルと同じで、4.5型ディスプレイ(540×960)でプロセッサはCortex A7(1.3GHzクアッドコア)、1GバイトのRAMと8Gバイトのストレージを搭載。カメラはメインがフルHD動画の撮影に対応した8メガピクセル、フロントが3メガピクセルで、デュアルSIM対応と特別大きな特徴があるわけでもない。

Ubuntu端末の大きな特徴は「Scopes」と呼ばれるユーザーインタフェースで、ホーム画面からさまざまなサービスに直接アクセスできる。エンターテインメント、動画、音楽、ニュースなどカテゴリ別のScopesがある。

「Ubuntu」はLinuxディストリビューションの1つで、2004年にリリースされてから無償で提供されており、英Canonicalから支援(資金提供)を受けながらコミュニティによって開発されている。今回スマートフォンに搭載されて製品化されるのは初めてである。

世界のスマートフォン市場はAndroidとiOSに占拠されている。最近ではFirefox、Tizenなども登場してきているが、まだまだそのシェアは小さい。新興OSの多くが新興国市場での販売を強化しようとしている。現在のUbuntuにはまだそのマーケティング戦略が見えにくい。今のままでは「ギークのためのニッチな端末」で終わりかねない。競争激しい世界のスマートフォン市場でUbuntuは今後どのような展開をしていくのか。今回はスペインのbqが端末を開発したが、どこのメーカーが続くのだろうか。

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( Ubuntu.com )

【参考動画】

【参照情報】
BQ's new Aquaris E4.5 Ubuntu Edition - the smartphone that puts content and services at your fingertips 
新たなモバイルOS「Ubuntu Phone OS」
新たな端末開発スタイルとしてのクラウドファンディング

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。