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インドネシアの鉄道事業者KCJがソニーのFeliCa採用

2015.02.13

Updated by Hitoshi Sato on February 13, 2015, 18:09 pm UTC

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 ソニーは2015年2月、インドネシアの鉄道事業者PT.KAI COMMUTER JABODETABEK(KCJ)がソニーのICカード技術「FeliCa」を採用することを発表した。KCJは2008年からジャカルタ首都圏において鉄道システムを運営しており64駅で182キロの距離をカバーしており、毎日70万人が利用している。

FeliCaチップが搭載された非接触ICカード、リストバンドでの乗車券を2015年2月から提供し、NFC対応の携帯電話での乗車券を2015年中に提供する予定である。1日70万人が利用しているので、ICカード以外にもリストバンドや携帯電話など多様な方法で提供していく。インドネシアの公共交通機関でFeliCaが採用されるのは初めて。

FeliCa技術が交通乗車券以外にも電子マネーやIDなど多くのアプリケーションに対応していること、瞬時に反応する(読み取りが速い)ので交通機関の乗車券に向いていることがあげられている。KCJは64駅で1日70万人が利用だから、決して多くない。東京の新宿駅のみで1日約75万人が利用している。日本の鉄道でも採用されているFeliCaの「読み取りの速さ」は大きなアドバンテージであろう。

インドネシアでは交通渋滞が凄いことから、渋滞回避のために電車での利用が推進されている。しかし電車もチケット売り場も非常に混雑している。チケット売り場はいつも行列しているから、インドネシア語が出来ない日本人にはインドネシアの公共電車に乗るのは少しハードルが高い。

またジャカルタの公共バスである「トランス・ジャカルタ」の駅の改札では、すでにICカードの読み取り対応した改札機を見かける。しかしほとんど多くの人が、今でも紙チケットをチケット売り場で駅員にお金を払って購入しており、駅員が紙チケットをチェックしている。

ICカードの利用が普及していくことによって、インドネシアの電車やバスなどの公共交通機関への乗車がスムーズになることを楽しみにしている。一方で、効率化が進むことで、インドネシアの駅にいる駅員の仕事がなくなる可能性も高く、彼らから反対があるかもしれない。

現在の日本の鉄道では、ICカードによる入退場が常識になっているが、かつて日本でも駅員が切符を切って、駅員が回収していた。もはやその時代に後戻りすることはない。インドネシアの鉄道も確実に前進していくだろう。

▼ジャカルタの公共バス「トランス・ジャカルタ」の停留所・駅にも非接触対応カード式の改札があるが、利用している人は見たことがない。
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【参照情報】
PT KAI Commuter Jabodetabek and Sony Agree to Cooperate to Deploy FeliCa Contactless Cards, Wristbands and NFC Mobile Phones in Transportation Network in Jakarta, Indonesia
KCJ-Sony FeliCa kembangkan tiket-el berbentuk gelang

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。