IDCインドは2015年2月24日、インドでの2014年第4四半期(2014年10月~12月)における携帯電話出荷台数を発表した。スマートフォンの出荷台数は四半期比較で初めての4%減少し、フィーチャーフォンも14%と大きな減少を示した。携帯電話機全体の出荷台数も四半期ベースでは11%減、年ベースでは5%の減少となった。
2014年第4四半期(2014年10月~12月の3か月間)において、インドで販売された携帯電話の総数は6,430万台だった。スマートフォンの出荷台数は全携帯電話機出荷台数の35%の2,250万台で、フィーチャーフォンは65%の4,180万台である。インドではまだスマートフォンよりもフィーチャーフォンの方が販売台数は多いが、年々スマートフォンの出荷シェアは増加している。
▼インドにおける携帯電話出荷数のスマートフォンとフィーチャーフォンの比率推移
(出典:IDCインド)
インドでは地場メーカーの存在感が圧倒的に強い市場である。MicromaxやLavaといった販売台数で上位を占める常連メーカーの他に2014年第4四半期には、スマートフォンではインドの地場メーカーIntexがランクインした。急成長のメーカーである。
また中国の地場メーカーXiaomi(小米)がインドに進出したばかりで、オンラインでの販売だったがランクインしたことも注目に値する。
さらにフィーチャーフォンでは、今でもインドではNokiaのブランドが強く、携帯電話出荷全体では10%のシェアで3位である。Nokiaから米国マイクロソフトに携帯電話事業は完全に移行されたが、Nokiaブランドはインドではまだ健在である。
今回インドでは携帯電話(フィーチャーフォン、スマートフォンともに)の出荷台数が減少したが、それでも3か月間で6,430万台販売される。日本では2014年の1年間での携帯電話出荷総数が約3,800万台であるから、インドの市場の大きさが伺える。インドでもスマートフォンが普及してきており、数年前のスマートフォン端末が中古品として市場に出回るようになった。それに伴って新製品の出荷が減少したことも考えられる。
▼インドにおける2014年Q4のフィーチャーフォン・スマートフォン出荷メーカー別シェア
(出典:IDCインドを元に作成)
【参照情報】
・India Smartphone Market Contracts in Q4 2014, Says IDC
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。