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格安スマホはお昼のダウンロード速度が弱点--MMD研究所の速度調査

Would you want to deal with smartphones running painfully slow at lunchtime? Maybe not

2015.04.24

Updated by Naohisa Iwamoto on April 24, 2015, 20:43 pm JST

MMD研究所は2015年4月24日、「2015年4月格安スマホ通信速度調査」の結果を発表した。東京・恵比寿で測定した結果では、格安スマホは全般に大手キャリアのサービスよりも通信速度が低めで、特に昼休みの時間帯のダウンロード速度が著しく低下する傾向にあった。

調査は、10社のMVNOが提供するサービスと、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルのキャリアのサービスの通信速度を比較したもの。東京・恵比寿のMMD研究所の事務所内で測定した。MVNOのサービスは「OCN モバイル ONE」(NTTコミュニケーションズ)、「IIJmio」(インターネットイニシアティブ)、「b-mobile」(日本通信)、「BIGLOBE LTE・3G」(ビッグローブ)「U-mobile」(U-NEXT)、「楽天モバイル」(フュージョン・コミュニケーションズ)、「NifMo」(ニフティ)、「ぷららモバイルLTE」(NTTぷらら)、「mineo」(ケイ・オプティコム)、「UQ mobile」(KDDIバリューイネイブラー)を取り上げた。

平日5日間に、10時~11時、12時~13時、17時~18時のそれぞれで5回の速度を計測し、最大、最小を除く3回の数値を平均した。全日、全時間帯を通した下りの平均速度は、ドコモ回線を使うMVNOではIIJmioが7.1Mbps、b-mobileが7.0Mbps、楽天モバイルが6.5Mbpsの順だった。KDDI回線を使うMVNOはUQ mobileが9.8Mbpsと最速、mineoが6.6Mbpsだった。一方でキャリアのサービスは、NTTドコモが19.3Mbps、KDDIは28.2Mbps、ソフトバンクモバイルは29.4Mbpsと安定した高速性を誇る。

時間帯別に見ると、MVNOのサービスは利用が集中する昼休みの時間に弱点があることが見て取れる。朝、夕では10Mbps以上の速度を記録しているMVNOも多い中で、昼の時間帯は軒並み速度が低下する。昼の下り最高速はUQ mobileの9.2Mbpsで、これは朝夕とほとんど変わらない速度だった。しかしこのほかのMVNOでは3.3Mbpsのb-mobileを除くと、8つのサービスが1Mbpsを下回った。同じ昼の時間帯でもキャリアのサービスは下り20Mbps~30Mbpsといった速度が記録され、低下が見られない。

MVNOは回線を借りるドコモやKDDIといったキャリアとの間で、通信容量に応じた契約をしていることが一般的だ。東京・恵比寿というオフィスと商業地が交じる地域の昼休みのトラフィックの集中に対しては、MVNOの契約容量が不足気味ではないかと推測できる調査結果だ。

【報道発表資料】
格安スマホ、お昼時間帯で通信速度が低下―通信キャリアとダウンロードスピードに差

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。