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Google、インドネシア・フィリピン・トルコで「Android One」OSスマートフォン投入:目指すのはローエンドからミドルエンドまで?

Google takes Android One to India, Philippine, and Turky

2015.05.20

Updated by Hitoshi Sato on May 20, 2015, 10:45 am JST

2015年2月、Googleがインドネシアで「Android One」OSを搭載したスマートフォンを販売することが明らかになった。

「Android One」OSは、2014年6月に行われたイベント「Google I/O 2014」で構想が発表された。新興国を中心にまだスマートフォンを持っていない「次の50億人(next five billion)」向けに、低価格なスマートフォンを提供することを目指している。2014年9月にGoogleがインドで6,399ルピー(105ドル)での販売開始を発表して、インドの地場メーカーMicromax、Karbonn、Spiceが提供している。Micromaxは「Android One」スマートフォンを2014年9月のローンチから2015年2月までに40万台以上販売した。また同社ではインドの他に2014年12月からスリランカ、バングラディッシュでも「Android One」スマートフォンを販売している。Spiceは今後、バングラディッシュ、ミャンマー、シンガポールでの「Android One」スマートフォン販売を予定している。

今回、「Android One」OSはインドネシアの地場メーカーNexian、Mito、Evercossの3社から販売される。140万ルピア(約110ドル)以下で提供される。Mitoは120万ルピア以下で提供することを明らかにした。3社ともにインドネシアでは知名度の高いメーカーである。

インドネシアは2014年には約3,000万台のスマートフォンが出荷され、2013年から20%も増加した。人口2億5,000万人以上のインドネシアではこれからもまだまだスマートフォンの成長の余地は高い。

【参考動画】Android One : Selalu terbaru dari Google(インドネシア)

またGoogleの「Android One」スマートフォンは2015年2月にフィリピンでも販売が開始されることが明らかになった。同国でも地場メーカーのCherry MobileとMy Phoneから5,000ペソ(約120ドル)以下で販売される。フィリピンもまもなく人口が1億人を突破する見込みで、スマートフォン市場はインドネシア、タイに次ぐ東南アジア3位で、これから大きく成長が期待される市場である。

新興国市場ではこれからスマートフォンが本格的に普及してくる。先進国市場ではGoogleのAndroidは大きくシェアを獲得している。しかし、インドには30ドル台でスマートフォンを提供してくる「Firefox OS」などGoogleの競合が存在し、Googleとしても気を緩ませることはできない。

【参考動画】Google brings Android One to the Philippines(フィリピン)

さらに、2015年5月にはトルコでも「Android One」スマートフォン「General Mobile 4G」が販売された。端末価格は699 リラ(約 31,500 円)と他の新興国で販売されている「Android One」スマートフォンよりも3倍くらい価格が高い。端末スペックもQualcomm プロセッサを搭載するなど、従来の「Android One」よりも相当に高機能である。これはトルコを皮切りに「Android One」を欧州市場のミドルエンドに拡大していくことの礎なのかもしれない。

「Android One」は新興国市場でもローエンド(約100ドル)からミドルエンド(約300ドル)まで幅広くラインナップが揃ってきた。新興国市場ではGoogleのAndroid以外にもMozillaが提供している「Firefox OS」などが更に安価な価格(約30~40ドル)で端末を供給してきている。「Android One」はその低価格な方でなく、もう少し上位を狙おうとしているのだろうか。

【参考動画】Android One - General Mobile 4G(トルコ)

 

 

【参照情報】
インドネシアの「Android One」
Google takes Android One outside India, launches handset in Indonesia
Android One Hits Up Indonesia
Google's Android One debuts in PHL, priced below P5k
Android One Programı Türkiye'de

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。