2015年第21週

[2015年第21週]Yahoo!が「ディープラーニング」で音声認識、ソフトバンクも夏モデルを発表

Weekly Report: Week 21 2015

2015.05.26

Updated by Naohisa Iwamoto on 5月 26, 2015, 12:34 pm JST

ヤフーの「ディープラーニング」を使った音声認識、マーベリックとぐるなびがビッグデータ解析技術などを使った情報提供など、新しい技術を生かしたサービスの開発のニュースが続々と飛び込んできた。ソフトバンクは夏モデルの新製品と新サービスを発表し、大手3キャリアの夏商戦の商材が出揃った。

新技術から新サービスを生み出す動き続々

まず、新技術に関するニュースから見ていこう。ヤフーは、人工知能技術「ディープラーニング」を自社開発の音声認識エンジン「YJVOICE」(ワイジェイボイス)に実装し、認識精度を大幅に改善させたとアナウンスした。すでに、Yahoo! JAPANのスマートフォン・タブレットアプリおよびウィジェットで合計18タイトルが対応済み。ディープラーニングにより精度が向上した音声認識機能が利用できる。特に騒音下の認識精度が高まっており、約1/3で精度が改善されているという。例えば、駅のホームで「Yahoo!乗換案内」を利用したり、街頭で「音声検索」などを利用したりしたい場合に、認識精度の向上で快適な利用ができる(報道発表資料:Yahoo! JAPAN、人工知能技術「ディープラーニング」を導入し、音声認識精度を向上)。

「ビッグデータ」をキーワードとするニュースもあった。マーベリックとぐるなびは業務提携を行い、マーベリックが持つビッグデータ解析技術・DMP(Data Management Platform)・広告配信データと、ぐるなびが持つサイト内アクセスデータを用いて、新たなエリアマーケティングシステムを開発し、ぐるなび加盟飲食店向けの紙広告商品の開発・提供を行うことで合意した。

マーベリックとぐるなび、加盟飲食店向け紙広告商品の開発提供で協業

日本全国の各地方・地域の居住者属性を推定し、細分化されたエリアごとに紙広告商品の提供が可能な印刷・配布オペレーションを構築、地域の情報流通を活性化する(関連記事:マーベリックとぐるなび、加盟飲食店向け紙広告商品の開発提供で協業)。

大雨情報の有用性を検証する社会実験の話題。防災科学技術研究所と日本気象協会は、激しい雨が降る最大10分前に利用者にメールで大雨情報を伝達する「10分前の大雨情報」の有用性を検討するための社会実験を共同で行う。実験期間は2015年6月1日から10月31日で、予測の対象は関東地方の一部の範囲内。実験に伴い、期間限定モニターを1000名募集する。今回の社会実験を通じて大雨情報の有用性を確認し、屋外で活動中の利用者の避難などに活用されることを想定している(関連記事:NIEDと日本気象協会、「10分先の大雨情報」配信サービスのモニター募集)。

ソフトバンクも夏モデル、ショッピングなどサービスに注力

ソフトバンクモバイルは2015年5月19日、2015年夏モデルの新製品と新サービスを発表した。ソフトバンクブランドの新製品はソフトバンクとして初のGalaxyとなる「Galaxy S6 edge」をはじめ「Xperia Z4」「AQUOS Xx」「AQUOS CRYSTAL 2」でラインアップするAndroidスマートフォン4機種。ワイモバイルブランドでは個人向けにマイクロソフトのSurface 3 LTE版の発売をアナウンスした。

ソフトバンクがGalaxy S6 edgeなど新スマホ4機種発表、モバイルとYahoo!ショッピングとの連携も

また、ソフトバンクモバイルのスマートフォンから「Yahoo!ショッピング」を、会員情報などの登録が不要で利用できるようにする新サービスも提供する(関連記事:ソフトバンクがGalaxy S6 edgeなど新スマホ4機種発表、モバイルとYahoo!ショッピングとの連携も)。

先行して夏モデルの発表を行ったNTTドコモ、KDDIに続いて、ソフトバンクモバイルも新サービス紹介に力を入れた発表会だった。Xperia、Galaxy、AQUOSは3社ともにラインアップし、新製品の独自色はあまり高くない。そうした中で、生活に根ざしたリアル連携のサービスなどを訴求するのが“通信事業者”の姿となってきたようだ。

5月22日にソフトバンクモバイルは、ソフトバンクブランドのフィーチャーフォン(従来型携帯電話)を2機種発売すると発表した。大画面で読みやすい文字を表示できる「COLOR LIFE 5 WATERPROOF」(パナソニックモバイルコミュニケーションズ製)と、シニア向けの「かんたん携帯8」(ZTE製)の2機種だ。5月19日に開催されたソフトバンクモバイルの夏モデル発表会ではフィーチャーフォンの発表はなく、ソフトバンクモバイル 代表取締役社長 兼 CEOの宮内謙氏はフィーチャーフォンなどの製品投入に消極的なコメントをしていた(関連記事:ソフトバンクがシニア向けなどフィーチャーフォンを2機種発表)。

音声対応の法人向けSIM、速度結果を地図にマッピング

法人などに向けたサービス、製品のトピックもあった。エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ(NTTPC)は、法人向けのネットワークソリューション「Master'sONE セキュアモバイル定額通信」に、音声対応のオプションを追加した。「セキュアモバイル定額通信 音声通話機能オプション」の提供により、従来の「セキュアモバイル定額通信」が提供する高いセキュリティーを保った閉域データ通信接続に加えて、「070/080/090」番号を使った音声通話が利用できるようになる。音声通話機能オプションは基本料金に月額700円の追加で利用できる(報道発表資料:スマホ1台で、セキュアなデータ通信と音声通話が可能!音声通話機能付きSIMの提供開始)。

日経BPコンサルティングは、スマートフォンやモバイル端末のLTE、Wi-Fiの通信速度を測定し、結果を地図上にマッピングする新サービスを開始した。専用アプリを使うことで、測定したデータ通信速度を、GPSやWi-Fiによる位置情報を基にして地図上にリアルタイムにマッピングする。このサービスを使うことで、動線上での通信速度を視覚的に把握できるようになる(報道発表資料:位置情報を利用したマッピング型のLTE/Wi-Fi速度測定サービスを提供)。

アプリックスIPホールディングス(アプリックス)は、Beaconを利用したスタンプラリーを手軽に導入できるシステムを開発した。スタンプラリー専用のアプリが不要で、鉄道駅や観光地、商店街、イベントなどでスマートフォンを使ったスタンプラリーの導入が容易になる。タイムセールやおすすめ情報、鉄道の運行・遅延情報などの提供が可能な商店街や観光施設向けのアプリックス製Beaconアプリ「hubea」を使って、イベント時などにBeaconを使ったスタンプラリーを実現できるようにした(関連記事:Beaconによるスタンプラリーを手軽に、アプリックスがシステム開発しJBCCが採用)。

Firefoxテレビ発進、5Gの低消費電力化のトレンド

この週のこのほかのトピックを紹介する。Firefox OS搭載スマート4Kテレビ「パナソニック ビエラ」の販売が国内で始まった。日本で発売される Firefox OS 搭載モデルは、CX800N、CX800、CX700 の 3 モデルとなる。Firefox OSを使った「かんたんホーム」を搭載。ホーム画面によく見るチャンネルやよく使う外部サイトを登録できる。また、開発者は、Firefox OSのWebAPIを利用して複数のネットワーク対応デバイスを横断したアプリを開発できる(関連記事:Firefox OS搭載のパナソニック製スマートテレビが日本でも発売)。

エリクソン・ジャパンは、「5G」に向けた省エネルギー化のトレンドや技術を紹介する報道機関向けブリーフィング「5Gネットワークにおける超省エネルギー化の可能性」を開催した。

「ウルトラリーン」「ビームフォーミング」がカギ、5Gが目指す低消費電力ネットワークをエリクソンが説明

同社CTOの藤岡雅宣氏が、ネットワークの電力効率を高めるために注目されている技術として、ユーザーデータに直接関係しない通信を極力減らす「ウルトラリーン(超希薄)」通信や、必要なところにだけ送信するための技術と「ビームフォーミング」を紹介した(関連記事:「ウルトラリーン」「ビームフォーミング」がカギ、5Gが目指す低消費電力ネットワークをエリクソンが説明)。

最後に格安スマホの満足度の調査結果を紹介する。MMD研究所は、「2015年5月格安スマホ利用者の満足度調査」の結果を発表した。大手MVNO5社の格安スマホを利用している回答者は、6割超が「満足」「やや満足」と評価していることがわかった。格安スマホを利用している回答者の満足度は、「満足」が20.4%、「やや満足」が40.8%で、合計した満足度は61.2%に達する。調査対象となった5つのサービスを個別に見ると、IIJmio利用者の満足度が最も高く70.8%で、以下OCNモバイルONEが65.2%、BIGLOBE LTE 3Gが62.0%、b-mobileが54.8%、楽天モバイルが53.2%と続いた(関連記事:格安スマホは6割超が満足、月額料金は3000円未満、データ利用は2.8GB--MMD研究所)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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