「ネット中立性」の生みの親、グーグルの検索結果操作を批難
New report just came out on Google and guess who spread it
2015.06.30
Updated by WirelessWire News編集部 on June 30, 2015, 14:52 pm JST
New report just came out on Google and guess who spread it
2015.06.30
Updated by WirelessWire News編集部 on June 30, 2015, 14:52 pm JST
「グーグル(Google)が自社のサービスを優遇する検索結果を表示し、ユーザーの利益を損なわせている」などとする調査レポートが新たに発表された。このレポートの発表者が「ネットワーク中立性」の概念の生みの親として知られるティム・ウー(Tim wu)氏であることから、大きな注目を集めているようだ。
この研究は口コミ評価サイトのイエルプ(Yelp)の資金提供を受けて実施されたもの。イエルプは長年、グーグルが自社のサービスを優先的に検索結果に表示しているなどと主張し、米国や欧州で是正を訴えてきたことで知られる企業のひとつ。またコロンビア大学ロースクールの教授職にあるウー氏はかつてグーグルのフェローや米連邦通信委員会(FCC)のシニアアドバイザーを務めた経歴の持ち主で、「ネットワーク中立性」をめぐる議論ではウェブ企業各社の利害を擁護して、通信事業者によるトラフィックの差別的取り扱いなどを批難していた人物として知られてもいる。
ウー氏は今回の調査で、ハーバード大ビジネススクール助教授のマイケル・ルカ(Michael Luca)氏ならびにイエルプのデータサイエンティストらと協力しながら、2690人の被験者に一連のA/Bテストなどを実施。その結果、「Google+」などにある情報へのリンクが交じる検索結果よりも、検索語との関連性の高さだけをもとにした検索結果のほうがユーザーのクリック率が45%高かったことなどがわかったという。
この調査手法などについてグーグル関係者の間からは反論の声もあがっているとBloombergでは記しているものの、ウー氏は「この調査結果はグーグルが自社サービスを優先し、質で劣る情報を消費者に提示しようとしていることの証拠」などとして、グーグルの行為がユーザーに不利益をもたらしているなどとコメントしている。
またWSJでは、今回の調査結果が欧州委員会とグーグルとの間で続いている独禁法違反の疑いをめぐる駆け引きに大きな影響を与える可能性があると指摘している。
【参照情報】
・Study Suggests Google Harms Consumers by Skewing Search Results - WSJ
・High-Profile Study Turns Up the Antitrust Heat on Google - Bloomberg
・Google Manipulates Search Results, According to Study From Yelp and Legal Star Tim Wu - Re/code
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