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2020年に向けた課題である訪日外国人受け入れのための環境整備において、重要な位置を占めるのがWi-Fi環境の整備です。より快適なWi-Fiネットワーク提供のためのソリューションについて、Procera Networks Inc. ワールドワイドセールスのシニアバイスプレジデントのアンディ・ロヴィット(Andy Lovit)に、菅野真一が聞きます。(構成:WirelessWire News編集部 板垣朝子)

Procera Networks Inc. ワールドワイドセールスのシニアバイスプレジデントのアンディ・ロヴィット

限られた資金を有効に投資するための可視化

菅野:日本のWi-Fiホットスポットは海外に比べて少なく利用しづらい状況が続いていましたが、ここに来てようやくモバイルオペレーターやWi-Fi専門のオペレーターによる整備が進んできました。ところが、スマートフォンやタブレットの普及速度があまりにも急速で、せっかく整備されたWi-Fiの品質が十分ではないという不満がよく聞かれます。

ロヴィット:iPhone、iPad、携帯が普及しており、モバイルネットワークがオーバーロードしている状態はどこでもそうです。今の課金プランや帯域の状況では、加入者の人数に比べて十分ではない。Wi-Fiへの要求は高まっています。

今、日本のWi-Fi品質の問題を指摘されましたが、世界中どこでも同じ課題を抱えています。これは逆に、モバイルネットワークを持つ、持たないにかかわらず、Wi-Fi接続を提供する事業者に対しては、チャンスだと言えるでしょう。そこでより品質の高いソリューションを提供するために、プロセラネットワークスのソリューションが役立ちます。

プロセラネットワークスのソリューションは、ネットワークのトラフィックがどうなっているかを可視化します。トラフィックの状態を理解することで、DPIによるポリシー構築が可能になり、ネットワーク体感を上げることができます。

菅野:具体的にはどのように使うのでしょうか。

ロヴィット:ユーザーに対して、DPI/Policy Enforcementソリューションを使っていただき、加入者それぞれがどのようなアプリケーションを利用しているかを可視化し、トラフィックマネジメントを行います。ユーザーの契約はスピードと容量で区分されるいくつかのプランに分かれるので、契約内容と実際のトラフィックを見てどのような制御をするか判断します。

オペレーターに重要なのはデータを集めることです。どこで、誰が、どんなデバイスで、何を使っているのか-ウェブであればどんなウェブを使っているのか、サービスであればどんなサービスを使っているのか、アプリであれば何のアプリを使っているのかを-を知ることです。

一番大切なのは、ネットワークの可用性を上げることで、Wi-Fiネットワークの質が向上することです。ゴールは、新たな、エンハンスされたサービスを加入者に提供し、同時に新たなお客様を増やすことです。

制御するためには、ユーザーがどのようなアプリを使っているのか見えなくてはいけません。アプリケーションを理解することは重要です。アプリが可視化できれば、ユーザーがメールを読んでいるだけなのか、大量のファイルをダウンロードしているのかが分かります。大きなデータをダウンロードしているのであれば、必要な帯域に合わせたサービス・プランを設計して適切な料金を設定し、アップグレードをお勧めすることが重要です。

可用性を上げるためにはインフラ投資が必要です。しかし、オペレーターの資金は無限ではありません。まず加入者を増やし、料金プランを作成し、それぞれの加入者の体感クオリティを上げることで、初めて可用性を高めるための投資が可能になるのです。

北米のWi-Fiオペレーター Boingoに仮想化ソリューションを導入

菅野:アンディから、今日はプロセラのソリューションを導入したWi-Fiオペレーターの事例を紹介させていただきます。

ロヴィット:はい、ご紹介するBoingoは、北米のWi-Fiオペレーターです。世界中の空港、スタジアム、駅などでWi-Fiを提供しています。日本のオペレーターではNTTドコモと提携しており、ドコモのユーザーは海外でBoingoのWi-Fiホットスポットをローミング利用できます。

ビジネス上の課題は2つありました。既存顧客むけの新たなサービス開発と、新規顧客獲得のための新たなサービス開発です。Boingoがプロセラネットワークスのソリューションを導入する以前は、加入者のトラフィックについて、意味のある情報が得られていませんでした。分かるのはトラフィックの総量と接続数ぐらいのもので、どんなデバイスが接続されているのか、どのようなアプリケーションが使われているかということが分からなかったので、新たなサービスをどのように強化すれば良いのか分からなかったのです。また、分析ツールもなかったので、トラフィックのレポーティングもできませんでした。

プロセラネットワークスが提供したソリューションは、ワイヤレスコントローラーごとにトラフィックの状況を可視化するもので、仮想化環境上のソフトウェアで提供されました。Boingoには複数のサービス・プランが存在しています。例えばBoingoと直接契約しているユーザー、クレジットカードなどに付与されているWi-Fiサービス、他事業者との提携、単なるローミングユーザーなど数多くのプランがあります。プロセラのソリューションによって加入者ごとのサービス・プランに応じてポリシーと帯域を適切に割り当てることができるようになりました。

プロセラネットワークスが可能にしたことを図にしてみました。アプリを特定し、速度と通信量によってトラフィックを制御することによって、さまざまなサービスを提案できるようになり、全体として通信品質が向上します。

▼Boingo Wirelessのソリューションで可能になったこと
Boingo Wirelessのソリューションで可能になったこと

「場所」に着目した可視化できめ細かなサービス設計を可能に

非常に重要なことは、「場所」ごとに、利用されているデバイス、そこで利用している加入者、利用されているサービスやウェブが分かることです。どこで何が起きているのか、それはある特定の場所なのかいくつかの場所で共通して起きているのか、傾向を正しく知ることで、セールスやマーケティング部門がどのようなサービスを強化すべきか、あるいは新たに開発すべきかを知ることができます。

菅野:どのような点に着目してサービスを開発するのですか?

ロヴィット:レポーティングは、どの場所でどのようなアプリやサービスが使われているかを特定して、層別のプラン設計を可能にします。アプリの種類で制限するもの、デバイスの数や種類を限定するもの、分数による従量課金、無制限などのプラン別に、加入者の利用状況はどうなっているかを調べます。ベーシックなメール、ウェブだけのユーザーが多いのか、iTunesのようなダウンロードをするユーザーやNetflixのようなビデオストリーミングをよく使うユーザーはどのくらいいるのか、といったことを知ることで、現在のプランは加入者に合っているか、新しいプランを開発するのかを判断します。

例えば、空港というのはそれほど長時間滞在する場所ではないけれども、「どうしてもフライトまでに大量のデータをダウンロードしておきたい」といったニーズが発見できたとします。そんなお客様には空港で短時間だけ使えるハイスループットのプランを用意してお勧めすれば、本当に必要な人がお金を払って快適な体感を得られるでしょう。オペレーターも、加入者のARPUが上がり、収益を上げることができます。

菅野:そんなプランがあったら私も出張のたびに利用すると思いますね。

公平制御と優先制御で加入者ごとに最適なネットワークを

菅野:ところで、日本は2020年に東京オリンピックを控えています。

ロヴィット:Wi-Fiはすごいトラフィック量になるでしょうね。しかも期間中の2週間だけトラフィックは急増して、終了したら落ちる。オリンピックスタジアムや競技会場付近のトラフィックをどうさばくかが重要になります。

プロセラネットワークスの仮想化ソリューションは、最小限の投資で大きな効果を引き出せます。DPIと分析ツールを駆使して、混雑を検知して契約者に保証帯域を割り振る「公平制御」と、アプリの種類を判別してリアルタイム通信が必要かどうかで優先度を調整する「優先制御」を組み合わせることで、ネットワークリソースの利用効率を高め、多くのユーザーの体感を高めます。

▼公平制御のイメージ
公平制御のイメージ

▼利用状況の分析例。公平制御を行わなかった場合に比べ、行った場合は、ヘビーユーザー以外(80%の側)のユーザーが利用するトラフィックがきちんと確保されており、キャパシティを上げるための投資時期を遅らせることができた。
利用状況の分析例

ソリューションの提供に加えて、オペレーター向けのトレーニングも提供します。Wi-Fiを改善し、サービス品質を向上するための取組みを今こそ始めるときです。日本のWi-Fiオペレーターの皆さん、プロセラネットワークスの菅野まで、今すぐ電話して下さい(笑)。

菅野:最後に売り込みありがとうございます。私からもぜひお願いします。アンディ、今日はどうもありがとうございました。

アンディ・ロヴィット/菅野真一

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