アムステルダム

海外プライバシー・パーソナルデータ関連情報(2015/11/10号)

2015.11.10

Updated by WirelessWire News編集部 on 11月 10, 2015, 13:04 pm JST

10月26日から29日にアムステルダムで開催された第37回プライバシーコミッショナー会議(The 37th International Privacy Conference)に関するニュースが出始めた。各ニュースの詳細については、原文のリンクを参照されたい。

法律・規制

自動車のソフトウェア的な改造に道が開かれたが、それに続いて安全性やセキュリティなどが議論となりうる。

米国著作権庁、ユーザーによる自動車のソフトウェアへのアクセスを容認
Hacking your car is cool with us, says U.S. copyright authority
車の改造を趣味とする人は多いが、現代の電子化された車を改造することは、ソフトウェアをハックすることと同義になる。しかし、米国でデジタルミレニアム法によってソフトは著作権で保護されており、その中身にタッチすることはこれまで違法と考えられていた。しかし、アメリカ議会図書館は自動車のソフトウェアを例外とすることを決定。この措置は3年後に再検討されるが、ソフトへのアクセスに自動車メーカーは反対している。

アムステルダムにおいて行われたプライバシーカンファレンスにおけるヨウロヴァー欧州委員によるスピーチ。

EUコミッショナーはプライバシー規則の改定は個人と企業にメリットがあり、米国とのセーフハーバー改定の前進に期待と発言
Speech of Commissioner Jourova at the Amsterdam Privacy conference
アムステルダムで開催されたプライバシーコミッショナー会議において、EUのヨウロヴァー委員がスピーチをおこなった。現在、議論の最終段階にある新プライバシー規則について、人々の基本的権利と自由を強化し、保護を向上させると同時に、企業の法対応をシンプルなものにするという。そして、米国とのセーフハーバー協定の改定は、米議会での「Judicial Redress Bill(法的救済法)」可決が後押しするだろうと述べた。

アムステルダムのプライバシーコミッショナー会議において、参加7カ国が覚書にサインしたとのこと。

欧米7カ国がプライバシー問題を共有する国際的な枠組みを発足
GPEN Launches New Global Consumer Privacy Protection Initiative
米連邦取引委員会(FTC)は、プライバシーに関する新しい多国間情報共有システム「グローバルプライバシー執行ネットワーク(GPEN)アラート」を発表。プライバシーに関する問題をGPENに参加する組織間で共有するためのもので、FTC委員長Edith Ramirezは、「GPENアラートは重要かつ実用的な協調ツールであり、GPEN加盟機関が消費者のプライバシーを世界中で保護するために役立つ」と述べた。米国の他、オーストラリア、カナダ、アイルランド、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、英国が参加している。

調査・研究

日本においても、匿名化技術の効果と限界は誤解されているところがある。

米NIST、匿名化技術について不完全だが必要な技術だと報告
NIST Releases Final Report on De-Identification of Personal Information
米国立標準技術研究所は「De-Identification of Personal Information(個人情報の匿名化)」と題した報告書を公表した。このレポートはNISTによるさまざまな匿名化技法についての検証をまとめたもの。匿名化技法は個人情報の利活用を可能にするものと期待されるが、一方で識別可能性が残るとの懸念もある。同報告書では、匿名化技術は完全ではないが、データ主体のプライバシー保護をコントロールするためには重要なものであると、結論づけている。

オピニオン

特に「digital exclusion」という言葉で、ブロードバンド環境を持たない人々がデジタルエコノミーから排除されることに対して強い懸念が示されている。

英国におけるインターネットに関する政策会議で、企業や野党がIT産業振興や規制改革が不十分と批判
Social exclusion, IoT and data privacy the biggest issues facing digital economy
英国の「議会とインターネット」年次会議において、ブロードバンド環境の入手性によるデジタルディバイドや、データプライバシーとセキュリティなどの問題が議論された。影のデジタル経済相Chi Onwurahはスピーチで「英国政府は、ビッグデータやIoTによる経済成長の機会を逃している。政府はこの分野で産業振興を進めるべき」と語った。また、通信事業者のトップにおる議論では「光ファイバーの普及にとって情報通信庁がネック」になっていると、規制の撤廃を求めた。

セキュリティ専門家によるTechcrunchへの寄稿。個別の問題がプライバシー侵害かどうかではなく、プライバシーという権利の位置付けを議論すべきとの指摘。

米国民はプライバシーが基本的人権かどうか議論し、守るための手段を考えるべき
National U.S. Privacy Laws Are Needed
米国に限らずプライバシーを法律上、明確な権利として位置付けている国は少なく、そしてプライバシーの概念を巡る議論は生活者ではなく専門家によってのみなされがちだ。国レベルのプライバシー法がないことがデータ流出や国家による侵害を招いていることを鑑みて、米国民はプライバシーが基本的人権なのかどうか議論し、人権であるならば、さらにどのように守るべきかを議論すべきだ。

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