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海水の水柱をアンテナにする「シーエアリアル」、三菱電機が開発

2016.01.28

Updated by Naohisa Iwamoto on January 28, 2016, 06:48 am JST

三菱電機は2016年1月27日、海水の水柱をアンテナとして利用する海水アンテナ「シーエアリアル」を開発したと発表した。海岸や海上など、海水がある場所で大規模な構造物を作らずに電波が送受信でき、アンテナの移動も簡単だという。

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シーエアリアルは、海水を噴出した水柱を使って、電波の送受信ができるアンテナの役割をさせようという新技術。海水中には電流を流さず、アンテナ送受信部となる水柱だけに高周波電流を効率よく流せるように、絶縁ノズルを使った給電構造を開発した。海水は金属よりも導電性が低く、アンテナ放射部として利用するための水柱の太さをシミュレーションで計算した上で開発を行った。この成果として、アンテナ効率は70%に達し、「実用レベル」(三菱電機)を実現したという。

三菱電機では、海水を使ったアンテナで地上デジタルテレビ放送の受診実験を行い、画像を映し出せることを確認した。同社によれば、世界で初めての成果という。今後は、従来の低周波用大型アンテナの置き換えや、小型化が可能なことを活かせる新事業への展開を検討している。

【報道発表資料】
海水の水柱で電波を送受信可能な海水アンテナ「シーエアリアル」を開発

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。