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米AT&Tが米国時間12日に同社の5Gネットワーク導入に関するロードマップを公表したが、そのなかで同社が現行の4G LTE網に比べて10倍から100倍も高速な携帯通信の提供を視野に入れていることなどに、複数の媒体から注目が集まっている。

AT&Tの発表によると、同社はまず第2四半期にエリクソン(Ericsson)、インテル(Intel)と共同で5G関連の屋内テストを開始し、夏以降は実験の場を屋外にも拡げる予定。さらに今年中にはテキサス州オースティンで、5Gを利用した固定型携帯通信の実証実験も開始するとしている。家庭や事業所への「ラストワンマイル」接続に高速な携帯通信網を利用することが可能になれば、ディレクTV(DirecTV)を買収したAT&Tにとっては、コムキャストをはじめとするCATV事業者と対抗する上でも大きなプラスとなることが予想される。

AT&Tは同社の5Gネットワークについて「(ダウンロードの通信速度が)従来のメガバイト単位ではなく、ギガバイト単位になる」とし、「テレビ番組を3秒以内でダウンロード可能」とも説明。またレイテンシー(遅延)についても「1〜5ミリ秒」になるとの見通しを記している。

なお、ベライゾン(Verizon)も5Gネットワークに関し、今年中に何らかの実験を開始する可能性を明らかにしていた。

そのほか、AT&Tはネットワーク機能の仮想化(Network Function Virtualization)、SDN(Software Defined Networks)についても強調しており、これらの技術と5Gを組み合わせることで、ビデオ配信、バーチャルリアリティ、IoTといった将来のサービスを提供するプラットフォームを実現するとしている。

AT&Tは2014年に発表したSDN関連の戦略のなかで、2020年までに全ネットワークの75%を仮想化するとの目標を掲げていたが、現在同社のネットワーク仮想化の進捗状況は5.7%で、2016年中にはこれを30%まで引き上げることを目指しているという。

【参照情報】
AT&T Unveils 5G Roadmap Including Trials In 2016 - AT&T
AT&T working with Ericsson, Intel to test 5G in Q2, promises speeds up to 100 times faster than LTE -
AT&T to run field trials of 5G wireless in Austin this year - Computerworld
AT&T, Like Verizon, to Begin Testing 5G Wireless This Year, as U.S. Aims to Stay Ahead of the Pack - Re/code

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