Huawei、ノートPC『HUAWEI MateBook』発表:世界的に縮小しているPC市場への挑戦

2016.03.04

Updated by Hitoshi Sato on 3月 4, 2016, 09:51 am JST

▼『HUAWEI MateBook』(Huawei提供)
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中国メーカーHuaweiは2016年2月21日、バルセロナで開催されていた「モバイル・ワールド・コングレス(MWC) 2016」において、ビジネスユーザーをターゲットにしたデバイス『HUAWEI MateBook』を発表した。見ての通り、いわゆるノートPCである。

ビジネス、エンタテイメントの両シーンでモバイル性、 優れた効率性を見事に融合させた「モバイル・プロダクティビティ・ツール」と称して「ビジネスでもエンタメでも」ということで「2 in 1 スタイル」をウリにしており、699ドル(約84,000円)から販売する。

Huaweiのコンシューマー・ビジネス・グループ(CBG)のCEOであるリチャード・ユー氏は「どんなシーンでもデバイス間の接続を可能にするこの画期的な製品は新しいビジネス・スタイルにつながるでしょう。この製品の発表はHuaweiが業界で先駆的なデザインと製品を送り続けてきた企業であることを示している。Huaweiのトータルなエクスペリエンスにおける実績とプレミアムなモバイル製品を融合させることでビジネス機能とプライベート機能の壁をなくし、今日求められているユーザー環境にあったプレミアムな製品作りに成功した」とコメントしている。

世界的に縮小しているPC市場

Huaweiは2015年には全世界で1億台以上のスマートフォンを出荷した。スマートフォンでは世界的にもお馴染みのメーカーであるが、PC市場で名前を聞くことはほとんどない。Huaweiは中国メーカーだが、中国のPCメーカーといったら、圧倒的な世界1のシェアを誇るLenovoである。Lenovoはスマートフォンでも世界4位の出荷シェア(2015年には約7,400万台出荷)でHuaweiのスマートフォン出荷に近づいてきている。(参考記事

全世界で14億台以上販売されているスマートフォンと違ってPC市場は縮小している。調査会社IDCによると、2015年通年の出荷台数は前年比10.4%減の2億7,622万台だった。

今回の2桁台(10.4%)の減少はこれまで最小だった2013年の9.8%減を超え、IDCが調査を開始して以来最大だそうだ。PCの出荷が全世界で3億台に届かなかったのは、2008年以来初。出荷減の主な原因はPCの寿命長期化とタブレットやハイブリッド端末との競合とされている。ハイブリッド端末とはキーボードを脱着できるタブレットタイプの端末なので、今回のHuaweiの『HUAWEI MateBook』もハイブリッド端末の範疇に入るだろう。なおIDCによるとハイブリッド端末をPCとみなせば、減少率は2.3ポイント減り、7.5%減になるとのことだが、それでもPC出荷が世界規模で減少していることに変わりはない。

辛うじてAppleだけが2014年よりも増加しているが、どのメーカーもPCは出荷を減らしている。Appleに至ってもiPhoneは年間で2億台以上出荷されるのに、PCは2,000万台程度と、iPhoneの10分の1程度である。PC自体、コモディティ化が進んでおり、買い替えのサイクルも長くなってきていることから、これから大きく伸びる要因も見当たらない。

そのように世界的に見ても、非常に厳しいPC市場においては上位にもランクインされていないHuaweiが、新機種を出してきて挑戦しようとしている。

コモディティ化が進んでおり、部品の進化の激しいPCにおいては、機能で差別化をしていくことは難しい。Huaweiが開発できる機能であれば、どこのメーカーであっても、コストと時間をかければ開発できるものだ。そうなると、価格だけの勝負になりがちだが、その価格の安さ、コストパフォーマンスとブランド名を訴求するために広告宣伝活動が必要であり、そのマーケティングコストも相当なものとなる。マーケティング活動はどこのメーカーもかなり積極的に行っており、体力勝負になってしまう。

▼2015年通年のメーカー別世界PC出荷台数とシェア(IDC発表資料をもとに作成)
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【参照情報】
Huawei Launches MateBook at MWC 2016
PC Market Finishes 2015 As Expected, Hopefully Setting the Stage for a More Stable Future, According to IDC

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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