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[2016年第14週]見えてきた災害対策基地局の姿、健康やコミュニケーションのサポートも

2016.04.05

Updated by Naohisa Iwamoto on 4月 5, 2016, 15:25 pm JST

船舶の上に設置する基地局や、自然エネルギーを有効に活用する基地局といった、新しい基地局の形が見えてきた。健康関連のサービス、MVNOの新しいサービスなど、この週も多様なトピックがあった。

船舶からエリア形成、天気予報連動で蓄電機制御など新型基地局

携帯電話基地局の話題から。KDDIは、商用の携帯電話の電波を使った船舶型基地局の訓練を実施することをアナウンスした。2016年3月11日の関連法令の改正を受けて、商用の携帯電話の電波を使った船舶型基地局の訓練を2016年度以降に実施していく。実際の災害を想定した訓練が可能となり、実用化の段階に入る(関連記事:KDDIの船舶型基地局、商用電波による訓練実施で「実用化」へ)。

NTTドコモは、太陽電池と蓄電池システムによって動作電力の一部をまかなう「グリーン基地局」が利用する電力を天気予報の情報に基づき自動制御する「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」技術の実証実験に成功した。

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今回確立した技術は、バックアップ容量とサイクル容量の比率を固定することなく、天気予報の情報を基に、「日照制御モード」と「自立・復活運転モード」の2つを切り替え、リチウムイオン電池へのバックアップ容量の比率を柔軟に変更して自動運用する(関連記事:天気予報に合わせた蓄電池制御で停電時の稼働時間を2倍以上に、ドコモが成功)。

母子手帳アプリ推進、ぬいぐるみIoTでコミュニケーション

健康づくりや高齢者などとのコミュニケーションの新しい形を模索するニュースもあった。特定非営利活動法人のひまわりの会とNTTドコモは、両者が協業してスマートフォン向けの「母子健康手帳」アプリの運営と普及促進活動に取り組むと発表した。ひまわりの会とドコモは協業によって「母子健康手帳」アプリを、成長記録を管理・保存できること以外に、妊娠や子育てに必要な地域の支援情報、医師や専門家による信頼できる情報などを得られるサービスへの機能拡張を目指す(関連記事:ドコモ、「母子健康手帳」アプリの運営と普及促進で協業)。

NTTドコモは、「dマーケット」にユーザーの健康をサポートするためのサービス「dヘルスケアパック」を追加して提供する。同パックには、ドコモおよびドコモ・ヘルスケアがすでに提供している理想のからだづくりをサポートする「からだの時計 WM」、女性の体調管理ができる「カラダのキモチ」、本格的なトレーニングができる「Runtastic for docomo」と、新しくドコモ・ヘルスケアが開発した「歩いておトク」の4つのサービスが含まれる。これらの4つのサービス(12種類のアプリケーション)を月額500円で利用できるというもの。日々のウォーキングからトレーニングまで健康に関するユーザーの取り組みを幅広くサポートする(報道発表資料:「dヘルスケアパック」を提供開始)。

スマートフォンなどを使えなくても遠隔地でコミュニケーションができる新しいコンセプトの発表もあった。KDDIは、KDDI研究所のオープンラボ型プロジェクト「au未来研究所」発のコンセプトモデル第2弾として、ぬいぐるみ型コミュニケーションツール「Comi Kuma(コミクマ)」を発表した。

コミクマは、なでたり抱きしめたりすることで、スタンプのやりとりができるぬいぐるみ型のIoTコミュニケーションツール。これによって、スマートフォンを使い慣れていない高齢者や子供でもぬいぐるみを使って簡単にスタンプを送り合うことができる(関連記事:抱きしめて、キスして、思いが伝わるぬいぐるみ「Comi Kuma」 KDDI未来研究所が開発)。

KDDI系MVNOでもiPhone SE利用が可能、iPhoneレンタルのMVNOも

KDDIの回線を利用するMVNOから、iPhone SEへの対応状況が公表されている。UQコミュニケーションズは同社のMVNOサービス「UQ mobile」において、auのVoLTEに対応した「マルチSIM」を利用することで、SIMフリー版のiPhone SEを利用できるとアナウンスした(報道発表資料:動作確認端末一覧)。

ケイ・オプティコムも、「mineo」でのiPhone SEの動作確認の結果をアナウンスしている。mineoではドコモプラン(Dプラン)、auプラン(Aプラン)の2種類のプランを提供しているが、ドコモプランではSIMフリー版およびドコモブランド端末のiPhone SEを、auプランではSIMフリー版およびauブランド端末のiPhone SEを利用できるという(報道発表資料:【A・D・AP・DP】iPhone SEにおける動作確認結果のお知らせについて)。

MVNOによるiPhone関連のニュースとしては、ドリーム・トレイン・インターネットが、モバイル高速データ通信サービス「DTI SIM」のオプションサービスとして「DTI SIM スマホレンタルオプション」を発表している。「DTI SIM」音声プランとスマートフォン端末のレンタルサービスをセットで提供するもの。4月上旬から予約受付を開始する。サービス開始時に提供するレンタル端末は、iPhoneを予定している(報道発表資料:「DTI SIM」、新たなオプションサービス“DTI SIM スマホレンタルオプション”を発表)。

MVNOの低廉な新プラン。携帯電話事業「もしもシークス」を提供するエックスモバイルは、通話機能付きで月額980円からと低廉な料金で利用できる新プランを開始する。基本料金は、「音声プラン」が月額980円、「データプラン」が月額380円で、いずれも500MBまでのLTEパケット通信料金を含む。パケット料金は、追加1GB(合計1.5GB)で月額600円から。新プランには5分かけ放題オプションや国際電話が定額になるオプションも提供する(関連記事:「もしもシークス」、500MBデータ通信と通話機能付きで月額980円からの新プラン)。

新しい技術でIoTや一斉配信に対応

そのほか、この週のトピックを見ていく。オプティムは、IoTソリューションを手軽に構築できるプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を提供すると発表した。IoTアプリケーションと、センサーなどのIoTデバイスからの入力、パソコンやスマートデバイスなどへの出力を仲立ちするプラットフォームで、コンピューターで言う「OS」の役割を果たすことからCloud IoT OSと名付けた。

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Cloud IoT OSを使うと、自由にIoTデバイスを選び、直感的な操作でデータ収集から分析結果を得るところまでを、クラウドサービスの上で自在に実行できるようになる(関連記事:IoTを「作る」から「使う」へ、オプティムがプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を提供)。

技術を保有する会社への投資の話題もあった。NTTドコモ・ベンチャーズは、同社の運用するファンドを通じて、仏EXPWAYに出資した。EXPWAYはWi-FiマルチキャストおよびLTEブロードキャストのミドルウエアの開発・提供を行う企業。同社の技術を利用することでスタジアムのような大勢の人が密集しているエリアで、コンテンツの一斉同報配信を従来に比べ安価に行うことが可能になるという(報道発表資料:EXPWAYへの出資について)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。

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