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米司法省(DOJ)が現地時間8日、2014年にニューヨークで発生したドラッグ関連の犯罪に関する捜査で押収した「iPhone 5s」のロック解除について、アップル(Apple)に協力を要求する訴えを裁判所に提出したという。

WSJによると、この事件はニューヨークのブルックリンで発生した麻薬密売に関するもので、捜査当局が逮捕した密売人の使用していた「iPhone 5s」に含まれるデータを調べようとしたが、容疑者はロックを解除するパスコードを忘れたとして捜査への協力を拒否。そのため、司法省では昨年、アップルに対してロック解除に協力するよう求めたものの、アップル側はこの要請を拒否し、「司法省が1789年に定められた『All Writs Act』という法律を根拠に、アップルに協力を強制することはできない」との申し立てをブルックリンの連邦地裁で行い、今年2月には同地裁の行政判事がアップル側の主張を認める判決を下していた。

「iPhone」のロック解除をめぐっては先月、米カリフォルニア州で昨年12月に発生したサンバーナーディーノ銃乱射事件に関し、FBIが外部業者の力を借りながら、テロリストの使用していた「iPhone 5c」のロック解除に成功。これを受けて、DOJはこの件でアップルに求めていた捜査協力要請の訴えを取り下げていた。いっぽう、FBIのジェームズ・コミー(James Comey)長官は先週、「iPhone 5c」のロック解除に使われた方法では「同5s」「同6」などより新しいモデルのロックを解除することはできないとする発言を行っていた。

アップルは2013年9月に発売した「iPhone 5s」で「Touch ID」センサーを利用した指紋認証機能を初めて搭載し、同時にこの指紋データとパスコードを保存する「Secure Enclave」という専用の領域を「A7」プロセッサに確保することで、iPhoneのセキュリティを強化していた。この仕組みでは、iPhone(やiPad)を再起動した際や、ロックを最後に解除してから48 時間以上が経過したとき、あるいは指紋照合に5回続けて失敗した際には「Touch ID」が使えなくなり、改めてパスコードの入力を求められるようになっている。

今回のDOJによる方針の表明に対し、アップルの法務担当者は「残念なことだが驚きではない」と反応。また同社では今後、一度ロック解除に成功した司法省が改めて同社の協力を必要とする理由の説明や、「iPhone 5c」のロック解除で使われた方法などの情報について同社への提供を求めていくとしているという。

【参照情報】
U.S. to Keep Pushing Apple to Unlock iPhone in New York Case - WSJ
Apple's Fight With U.S. Over Privacy Enters a New Round - Bloomberg
DOJ still pursuing NY iPhone encryption case in court, suggesting FBI hacking method doesn’t apply - 9to5 Mac

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